堀内勤志税理士事務所
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23年度税制改正のうち所得税(事業所得関係を除く)関連項目の抜粋
このページは、23年6月22日に成立し、6月30日に公布、施行された「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律」で国税庁が公表した「平成23年分 所得税の改正のあらまし 」 のうち、当事務所で私見により事業所得関係項目を除いた主な項目を抜粋したものです。よって、一部の方にしか関係しないであろう項目は除外しています。詳しくお知りになり方は、財務省の税制改正のホームページ及び国税庁のホームページ、又は「平成23年分 所得税の改正のあらまし」をご覧ください。
なお、3月の改正案にあり、6月の改正から除かれた部分については、「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」として11月30日成立しました。
[用 語]
所法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 所得税法
所令 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 所得税法施行令
措法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 租税特別措置法
措令 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 租税特別措置法施行令
所法等改正法附則 ・・・・・・・・・・・・・・ 現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るため
               の所得税法等の一部を改正する法律(平成23年法律第82号)附則
改正所令附則 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 所得税法施行令の一部を改正する政令(平成23年政令第195号)附則
改正措令附則 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 租税特別措置法施行令の一部を改正する政令
               (平成23年政令第199号)附則
平成22年所法等改正法 ・・・・・・・・・・ 所得税法等の一部を改正する法律(平成22年法律第6号)          
平成22年所法等改正法附則 ・・・・・・ 所得税法等の一部を改正する法律(平成22年法律第6号)附則
Ⅰ 年金所得者の申告手続の簡素化
(1)
その年において公的年金等に係る雑所得を有する居住者で、その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、その年分の所得税について確定申告書を提出することを要しない(所法121③)。すなわち、確定申告は必要なくなりました。逆に、確定申告を提出することも出来ます。
(注)
公的年金等以外の所得金額が20万円以下で所得税の確定申告書の提出を要しない場合であっても住民税の申告が必要となります。
[適用時期] 平成23年分以後の所得税について適用されます(所法等改正法附則2)。
(2)
公的年金等に係る源泉徴収税額の計算における控除対象に寡婦(寡夫)控除が加えられました(所法203の3一ハ)。
[適用時期] 平成25年分1月1日以後に支払うべき公的年金等について適用されます(所法等改正法附則6①)。
Ⅱ 申告義務のある者の還付申告書の提出期間の追加
所得税の確定申告書の提出期間(その年の翌年2月16日から3月15日まで)について、申告義務のある者の還付申告書の提出期間は、その年の翌年1月1日から3月15日までとされました(所法120⑥)。
(注)
申告義務のある者とは、その年分の所得金額の合計額が所得控除の合計額を超える場合で、その超える額に対する税額が配当控除額と年末調整の住宅借入金等特別控除額の合計額を超える者をいう。
 すなわち源泉徴収税額等の還付又は予納税額の還付の規定による還付を受けるための申告は、翌年の1月1日からできることになりました。
[適用時期] 平成23年分以後の所得税について適用されます(所法等改正法附則2)。
Ⅲ 認定NPO法人等に対する寄附金に係る特別控除の創設
(1)
認定NPO法人寄附金特別控除の創設
認定特定非営利活動法人(以下「認定NPO法人」といいます。)に対して支出したその認定NPO法人が行う特定非営利活動に係る事業に関連する寄附金については、その年中に支出したその寄附金の額の合計額(その年分の総所得金額等の40%相当額が限度。)が2,000円を超える場合には、寄附金控除(所得控除)との選択により、その超える金額の40%相当額(所得税額の25%相当額が限度。)をその年分の所得税の額から控除することとされました(措法41の18の2)。
(注)
  1. 税額控除限度額(所得税額の25%相当額)は、次の(2)の公益社団法人等寄附金特別控除の額と合わせて判定する。
  2. 政党等寄附金特別控除の税額控除限度額は、これとは別枠で判定する。
  3. 控除対象寄附金額(総所得金額等の40%相当額)及び控除適用下限額(2,000円)は、寄附金控除(所得控除)並びに政党等寄附金特別控除及び公益社団法人等寄附金特別控除の税額控除対象寄附金の額と合わせて判定する。
[適用要件]
その年分の寄附金につき、この税額控除の適用を受けようとするときは、寄附金の明細書並びに寄附金を受領した旨、寄附金が認定NPO法人の主たる目的である業務 に関連するものである旨、寄附金の額及び受領年月日を証する書類を確定申告書に添付することが必要です。
[適用時期] 平成23年分以後の所得税について適用されます(所法等改正法附則23)。
(2)
公益社団法人等寄附金特別控除の創設
特定寄附金のうち、次のイからニまでに掲げる法人(その運営組織及び事業活動が適正であること並びに市民から支援を受けていることにつき一定の要件を満たすものに限ります。)に対するもの(以下「税額控除対象寄附金」といいます。)については、その年中に支出した税額控除対象寄附金の額の合計額(その年分の総所得金額等の40%相当額が限度。)が2,000円を超える場合には、寄附金控除(所得控除)との選択により、その超える金額の40%相当額(所得税額の25%相当額が限度。)をその年分の所得税の額から控除することとされました(措法41の18の3)。
イ 公益社団法人及び公益財団法人
ロ 学校法人等
ハ 社会福祉法人
ニ 更生保護法人
(注)
税額控除限度額(所得税額の25%相当額)、控除対象寄附金額(総所得金額等の40%相当額)及び控除適用下限額(2,000円)は、上記(1)の(注)に準じた方法で判定します。
[適用要件]
その年分の寄附金につき、この税額控除の適用を受けようとするときは、寄附金の明 細書及び次の書類を確定申告書に添付しなければなりません。
寄附金を受領した旨、寄附金がその法人の主たる目的である業務に関連する寄附金である旨、寄附金の額及び受領年月日を証する書類
所轄庁のその法人が税額控除対象法人であることを証する書類の写し
[適用時期] 平成23年分以後の所得税について適用されます(所法等改正法附則23)。
Ⅳ 特別還付金の支給制度の創設
相続又は贈与等に係る生命保険契約等に基づく年金の受取人である者又はその相続人に対し、平成12年分以後の各年分(その年分の所得税について、更正をすることができる場合又は期限後申告書を提出することができ場合の年分を除 きます。) の保険年金に係る所得のうち、所得税が課されない部分の金額に対応する相当する給付金(「特別還付金」)を支給することされました (措法97の2)。
なお、この特別還付金及び付随する還付加算金は、非課税とされています。
また、この請求は6月30日から翌24年6月29日までに行う必要があります。
Ⅴ 金融証券税制
(1)
上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る10%軽減税率(所得税7%、住民税3%)の適用期限が平成25年12月31日まで2年延長されました(平成20年所法等改正法附則32、33、43、45、94)。
(2)
非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税(措法9の8、37の14)について、非課税口座に受け入れることができる上場株式等の範囲に次のものが追加された上、施行日が2年延長され平成26年1月1日から適用することとされました(措法37の14⑤、措令25の13⑨、平成22年所法等改正法附則1、52、61、64)。
非課税口座が開設されている金融商品取引業者等が行う募集により取得した上場株式等
非課税口座内上場株式等について無償で割り当てられた上場新株予約権で、その割当ての際に非課税口座に受け入れられるもの
2以上の非課税口座で管理している同一銘柄の非課税口座内上場株式等について行われた株式分割等により取得した上場株式等
(3)
次の対象とならない大口株主等が支払を受ける配当等の要件について、その配当等の支払を受ける者が保有する株式等の発行済株式等の総数等に占める割合が改正前の100分の5以上から100分の3以上に引き下げられました(措法8の4①、9の3、9の8)。
上場株式等に係る配当所得の課税の特例
上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率等の特例
非課税口座内の尐額上場株式等に係る配当所得の非課税
[適用時期]
 上記イ及びロの特例については、平成23年10月1日以後に支払を受けるべき配当等について適用され、
上記ハの特例については、平成26年1月1日以後に支払を受けるべき配当等について適用されます(所法等改正法附則26、27、29)。
(4)
特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例等(措法37の11の3)について、特定口座に受け入れることができる上場株式等の範囲に、生命保険会社の相互会社から株式会社への組織変更に伴いその社員に割り当てられた上場株式等で一定のものなどが追加されました(措令25の10の2⑮)。
(5)
償還差益に対する発行時源泉徴収免除の特例の対象とされる短期公社債の範囲について、新たに財政法第4条の規定により発行される国債及び特例国債を対象とすることに伴い、発行日から償還期限までの期間が1年以下である全ての国債が対象とされました(措法41の12⑨一)。
[適用時期]  
 この改正は、平成23年6月30日以後に発行される特定短期公社債について適用されます(改正措令附則21①)。
Ⅵ 住宅借入金等特別控除等
(1)
住宅借入金等特別控除(措法41)及び特定増改築等住宅借入金等特別控除(措法41の3の2)について、次の改正が行われました。
住宅の新築、取得又は増改築等(以下「住宅の取得等」といいます。)の対価の額又は費用の額に関し補助金等(国又は地方公共団体から交付される補助金又は給付金その他これらに準ずるものをいいます。以下8において同じです。)の交付を受ける場合には、その住宅の取得等の対価の額又は費用の額からその補助金等の額を控除することとされました(措法41⑥、措令26⑤㉑)。
 特定増改築等住宅借入金等特別控除について、特定断熱改修工事等又は断熱改修工事等に関し補助金等の交付を受ける場合には、その補助金等の金額を控除した残額が30万円以上の場合にこの控除の適用を適用することができることとされました(措法41の3の2②⑤⑥、措令26の4②)。
住宅の取得等に際し住宅取得等資金の贈与を受け、住宅取得等資金の贈与税の非課税(措法70の2)又は相続時精算課税選択の特例(措法70の3)を適用した場合の住宅借入金等特別控除の計算における家屋等の取得対価の額は、その特例の適用を受けた部分の金額を控除した残額とすることが法令に規定されました(措令26⑤㉑)。
住宅借入金等特別控除における増改築等の対象又は特定増改築等住宅借入金等特別控除における断熱改修工事等の対象となる国土交通大臣が財務大臣と協議して定める一定のエネルギーの使用の合理化に資する修繕又は模様替えを加える措置(いわゆる省エネ要件の緩和措置)が平成24年12月31日まで延長されました(措令26㉔、26の4⑦⑲)。
[適用時期]  
これらの改正は、居住者が平成23年6月30日以後に住宅の取得等に係る契約を締結する場合について適用されます(所法等改正法附則40、41、改正措令附則15)。
(2)
住宅耐震改修特別控除(措法41の19の2)について、適用対象となる地域の要件が廃止されるとともに、住宅耐震改修の費用に関し補助金等の交付を受ける場合には、その住宅耐震改修に要した費用の額からその補助金等の額を控除することとされました(措法41の19の2①)。
[適用時期]  
この改正は、平成23年6月30日以後に住宅耐震改修に係る契約を締結する場合について適用されます(所法等改正法附則46)。
(3)
住宅特定改修特別税額控除(措法41の19の3)について、次の改正が行われた上、その適用期限が平成24年12月31日まで2年延長されました。
高齢者等居住改修工事等に係る税額控除額の上限額(改正前:20万円)が、その適用を受ける年分に応じ、平成23年分は20万円、平成24年分は15万円に引き下げられました。
一般断熱改修工事等の費用に関し補助金等の交付を受ける場合には、その一般断熱改修工事等に要した費用の額からその補助金等の額を控除することとされました。
[適用時期]  
上記ロの改正は、平成23年6月30日以後に改修工事に係る契約を締結する場合について適用されます(所法等改正法附則47)。
Ⅶ その他
(1)
贈与、相続(限定承認に係るものを除きます。)又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除きます。)(以下「相続等」といいます。)により定期預金、株式等その他の金融資産を取得した場合において、その相続等に係る被相続人等に生じている未実現の利子、配当等は、実現段階で相続人等に課税されるというこれまでの取扱いが法令に規定されました(所法67の4)。
 すなわち、居住者が相続等により利子所得、配当所得、一時所得又は雑所得の基因となる資産を取得した場合におけるその資産に係る利子所得の金額、配当所得の金額、一時所得の金額又は雑所得の金額の計算については、別段の定めがあるものを除き、その者が引き続きその資産を所有していたものとみなして、所得税法の規定を適用されます。
(2)
生命保険契約等に基づく年金又は一時金に係る雑所得又は一時所得の金額の計算上、その支払を受けた金額から控除する保険料又は掛金の総額は、その生命保険契約等に係る保険料 又は掛金の総額から、事業を営む個人又は法人がその個人のその事業に係る使用人又はその法人の使用人(役員を含みます。以下同じです。)のために支出したその生命保険契約等に係る保険料又は掛金でその個人のその事業に係る不動産所得の金額、事業所得の金額若しくは山林所得の金額又はその法人の各事業年度の所得の金額の計算上必要経費又は損金に算入されるもののうち、これらの使用人の給与所得に係る収入金額に含まれないものの額を控除して計算することが明らかにされました(所令183、184)。
[適用時期]
この改正は、平成23年6月30日以後に支払を受けるべき生命保険契約等に基づく年金又は一時金に係る保険料又は掛金について適用されます(改正所令附則5、6)。
Ⅷ 22年改正、23年改正項目等
1. 扶養控除・障害者控除の改正
〔参考〕
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