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堀内勤志税理士事務所
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このページは、東日本大震災に関し財務省国税庁総務省から発表された資料に基づき当事務所でまとめたものです。 ご利用に際しては、各省庁で最新情報をご確認ください。
【 目 次 】
※ 平成23年12月14日、「震災特例法の一部を改正する法律」が施行されました。この法律の下、追加措置がとられました。詳細は国税庁のこちらのページよりご確認ください。
東日本大震災関連の税務情報
Ⅰ 申告期限等の延長
宮城県の石巻市、東松島市及び女川町について、申告期限が平成23年3月11日から平成24年4月1日までの間に到来するものについて平成24年2月3日付国税庁告示により、延長期限の期日を4月2日とされました (国税庁告示第4号)。
平成23年12月15日を延長期限とする国税庁告示を行う地域 (国税庁告示第27号)
岩手県及び宮城県のうち、下記記載の地域については、被災後の状況などを踏まえ、10月17日付国税庁告示により、延長期限の期日を平成23年12月15日とされました。
〔岩手県〕 宮古市、大船渡市、陸前高田市、釜石市、住田町、大槌町、山田町
〔宮城県〕 気仙沼市、多賀城市、南三陸町
詳細はこちらから確認してください。
なお、先の期日までに困難な方は個別に申請して、延長措置をうけることができます。
岩手県、宮城県及び福島県の一部の地域における国税に関する申告期限等を指定する件(国税庁告示第23号)
8月5日付けで申告等の期限が延長されていた岩手県、宮城県及び福島県の一部の地域における期限が9月30日とされました。
地域の詳細はこちらから確認してください。なお、先の期日までに困難な方は個別に申請して、延長措置をうけることができます。
東日本大震災に係る国税の申告・納付等の期限延長に係る一部の地域についての期日の指定について
国税通則法施行令(昭和37年政令第135号)第3条第1項(災害等による期限の延長)の規定に基づき、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県における国税に関する申告期限等を延長する件(平成23年3月国税庁告示第8号)において別途国税庁告示で定めることとされている期日のうち、青森県及び茨城県に国税の納税地を有する者に係るものについては、その期限が平成23年3月11日から平成23年7月28日までの間に到来するものについて、平成23年7月29日とする。 (国税庁告示第15号 平成23年6月3日)
よって、被災によりこの期日までに申告できない方は、個別延長申請による延長を受けることになりますので、注意してください。

地域指定による延長

 青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県
国税通則法11条及び国税通則法施行令第3条第1項の規定に基づき、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他書類の提出、納付又は徴収に関する期限のうち、上記5県の地域に国税の納税地を有する者に係るもの(その者の納付すべき国税に係る期限については、当該国税の納税地が当該地域にあるものに限る。)で、その期限が平成23年3月11日以降に到来するものについては、その期限を別途国税庁告示で定める期日まで延長する。 (国税庁告示第8号 平成23年3月15日告示)
※ この地域に納税地を有する納税者につきましては、東北地方太平洋沖地震がおきた平成23年3月11日以後に到来する申告等の期限が、全ての税目について、自動的に延長されることとなります(手続きは不要です)。
上記5県以外の方
青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県以外の地域に納税地を有する納税者につきましても、今般の地震の影響により、以下のような事情が発生し、申告・納付等ができない方につきましては、申告・納付等の期限延長が認められますので、状況が落ち着いた後、 「災害による申告、納付等の期限延長申請書」に必要事項を記載し、税務署に提出してください。申告等と併せてこの申請書を提出することもできます。ご不明な点は、所轄税務署にご相談ください。
1 今般発生した地震により納税者が家屋等に損害を受ける等の直接的な被災を受けたことにより申告等を行うことが困難
2 行方不明者の捜索活動、傷病者の救助活動などの緊急性を有する活動への対応が必要なことから申告等を行うことが困難
3 交通手段・通信手段の遮断や停電(計画停電を含む)などのライフラインの遮断により納税者又は関与税理士が申告等を行うことが困難
4 地震の影響による、①納税者から預かった帳簿書類の滅失又は②申告書作成に必要なデータの破損等の理由で、税理士が関与先納税者の申告等を行うことが困難
5 税務署における業務制限(計画停電を含む)により相談等を受けられないことから申告等を行うことが困難
 なお、上記の事情に該当しない場合であっても、今般発生した地震の影響により申告・納付等ができない方は、所轄税務署でご相談ください。
㊟ 「災害による申告、納付等の期限延長申請書」の提出時期は、やむを得ない理由がやんだ後相当の期間内です。
Ⅱ 東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律
(平成23年4月27日成立、同日交付、施行。平成23年12月7日改正、12月14日公布・施行。)
東日本大震災とは、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう(同法第2条(定義))。
具体的に、次の災害が該当する。
① 平成23 年3月11 日に発生した東北地方太平洋沖地震及びその後において発生した余震並びに余震活動地域の外側(長野県北部〜新潟県中越地方の長野県北部地震(3月12日、6月2 日)、静岡県東部地震(3月15日)、秋田県内陸北部地震(4月1日)、茨城県南部地震4月16日)、長野県中部地震(6月30日)による災害
② 東北地方太平洋沖地震(その余震を含みます。)に伴い発生した津波、火災、爆発、ダムの決壊、福島第一、第二原子力発電所の事故による災害
③ その他①及び②に関連して生じた異常な現象による災害
要綱(所得税関係)
1 東日本大震災により住宅、家財等について生じた損失について、次の措置を講ずることとする。(第4条、第5条関係)
 ⑴ その損失額を平成22年分の総所得金額等から雑損控除として控除できる。
 ⑵ 雑損控除を適用してその年分の総所得金額等から控除しても控除しきれない損失額についての繰越期間を5年とする。
2 事業所得者等の有する棚卸資産、事業用資産等につき東日本大震災により生じた損失(以下「被災事業用資産の損失」という。)について、次の措置を講ずることとする。(第6条、第7条関係)
 ⑴ その損失額を平成22年分の事業所得の金額等の計算上、必要経費に算入することができる。この場合において、青色申告者について平成22年分の所得において純損失が生じたときは、被災事業用資産の損失も含めて、平成21年分の所得への繰戻し還付ができる。
⑵ 被災事業用資産の損失を有する者の被災事業用資産の損失による純損失の金額及び平成23年において生じた純損失の金額のうち次に掲げるものの繰越期間を5年とする。
  ① 青色申告者でその有する事業用資産等のうちに被災事業用資産の損失額の占める割合が10分の1以上である者の有する被災事業用資産の損失による純損失を含む平成23年分の純損失の金額
  ② 白色申告者でその有する事業用資産等のうちに被災事業用資産の損失額の占める割合が10分の1以上である者の有する被災事業用資産の損失による純損失と変動所得に係る損失による純損失の合計額
3 個人が、平成23年3月11日から平成25年12月31日までの間に支出した震災関連寄附金(国又は東日本大震災により著しい被害が発生した地方公共団体に対する寄附金及び東日本大震災に関連する財務大臣が指定寄附金として指定した寄附金をいう。以下同じ。)について、次の措置を講ずることとする。(第8条関係)
 ⑴ 震災関連寄附金に対する寄附金控除についての控除対象限度額を、総所得金額等の100分の80相当額とする。
 ⑵ 認定特定非営利活動法人及び共同募金会連合会に対して支出した震災関連寄附金のうち被災者の支援活動に必要な資金に充てられるものについて、その寄附金の額が2,000 円を超える場合には、所得控除との選択により、その超える額の100 分の40相当額(所得税額の100 分の25相当額を限度)をその年分の所得税額から控除する。
4 勤労者が、東日本大震災により被害を受けたことにより、平成23 年3月11日から平成24年3月10日までの間に、勤労者財産形成住宅貯蓄及び勤労者財産形成年金貯蓄の目的外払出しを行う場合には、その貯蓄に係る利子等に対する遡及課税等は行わないこととする。(第10条関係、附則第3条関係)
5 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除等の適用を受けていた住宅が東日本大震災により居住の用に供することができなくなった場合においても、控除対象期間の残りの期間について、引き続き税額控除を適用することができることとする。(第13条関係)
納税の緩和制度
1. 納税の猶予
納期限前の国税の猶予(国税通則法第46条第1項)
 納税者の方が震災により家屋等の財産に相当な損失を受けた場合は、その災害の止んだ日から2か月以内に税務署長に申請し、その承認を受けることにより損失を受けた日以後1年以内に納付すべき一定の国税について、1年以内の期間、納税の猶予を受けることができます。
※災害により相当な損失を受けた場合の納税の猶予
この納税の猶予を受けられる方は、災害により全積極財産のおおむね20%以上の損失を受けた方です。   
また、納税の猶予を受けられる国税は、次のようなもので、その損失を受けた日以後1年以内に納付すべきものです。
⑴ 災害がやんだ日以前に課税期間の満了した所得税又は法人税や災害がやんだ日以前に取得した財産に係る相続税又は贈 与税で、納期限がその損失を受けた日以後に到来するもののうち、猶予申請の日以前に納付すべき税額の確定したもの
⑵ 災害がやんだ日の属する月の末日以前に支払われた給与等の源泉所得税等で法定納期限がまだ到来していないもの
⑶ 災害がやんだ日以前に課税期間が経過した消費税で、納期限が損失を受けた日以後に到来するもののうち、猶予申請の日以前に納付すべき税額の確定したもの
⑷ 予定納税に係る所得税並びに中間申告に係る法人税及び消費税  納税の猶予期間は、損失の程度により、納期限から1年以内の期間となります。  
なお、この納税の猶予を受けるためには、災害のやんだ日から2か月以内に、「納税の猶予申請書」及び「被災明細書」を提出する必要があります。
(注)震災発生時に既に滞納となっていた国税に係る納税の猶予については、次の「納期限を経過した国税の猶予」を参照してください。 「納税の猶予申請書(国税通則法第46条第1項)」
納期限を経過した国税の猶予(国税通則法第46条第2項)
 納税者の方が震災により家屋等の財産に被害を受けたために納期限を経過した国税を一時に納付することができない場合又は上記の納税の猶予(国税通則法第46条第1項)を受けてもなお納付することができなかった場合は、税務署長に申請し、その承認を受けることにより納付することができない国税について、1年以内の期間、納税の猶予を受けることができます。
 また、この猶予期間内にやむを得ない理由によって納付することができなかった場合は、納税者の方の申請に基づきさらに1年間、猶予期間の延長を受けることができます(国税通則法第46条第7項)。納税者の方が震災により家屋等の財産に被害を受けたために納期限を経過した国税を一時に納付することができない場合又は上記の納税の猶予(国税通則法第46条第1項)を受けてもなお納付することができなかった場合は、税務署長に申請し、その承認を受けることにより納付することができない国税について、1年以内の期間、納税の猶予を受けることができます。
 また、この猶予期間内にやむを得ない理由によって納付することができなかった場合は、納税者の方の申請に基づきさらに1年間、猶予期間の延長を受けることができます(国税通則法第46条第7項)
(注1)この納税の猶予は、納税者の方が事業につき著しい損失を受けたことなどによって滞納国税を一時に納付することができない場合にも適用されます。
(注2)税務署長は、納税の猶予をした場合において、差し押さえた財産があるときは、納税者の方の申請に基づきその差押えを解除することができるとされています(国税通則法第48条第2項)
※災害等を受けたことにより納付が困難な場合の納税の猶予
災害その他やむを得ない理由に基づき、国税を一時に納付することができないと認められる場合には、税務署長に申請をすることにより、納税の猶予を受けることができます。
 また、納税の猶予を受けられる国税は、災害等により被害を受けたことに基づき、一時に納付することができないと認められる国税です。
 納税の猶予期間は、原則として1年以内の期間に限りますが、猶予の期間内に納付ができないやむを得ない理由がある場合は、既に認められている猶予期間と合わせて2年を超えない期間内で、申請により納税の猶予期間の延長を受けることができます。
 よって、同一の災害を理由として、災害により相当な損失を受けた場合の納税の猶予と災害等を受けたことにより納付が困難な場合の納税の猶予及びその猶予期限の延長により、最長3年間の猶予を受けることができます。
  この納税の猶予を受けるためには、「納税の猶予申請書」の提出が必要ですが、上記の「災害により相当な損失を受けた場合の納税の猶予」と異なり原則として猶予を受けようとする金額に相当する担保の提供が必要です。また、この納税の猶予は、申請に対する期間制限がありませんが、すみやかに申請をしてください。 (通法11、46、通令13、14、15、通基46-2)
2. 換価の猶予
納税の猶予の適用を受けることができない納税者の方や、納税の猶予(延長を含む。)の適用を受けてもなお納付することができなかった納税者の方については、その財産を直ちに換価することにより事業の継続や生活の維持を困難にするおそれがあるなど一定の場合において、納税者の方に納税についての誠実な意思が認められるときは、税務署長は、一年以内の期間、その財産の換価を猶予することができるとされています(国税徴収法第151条)
 また、この猶予期間内にやむを得ない理由によって納付することができなかった場合は、税務署長は、さらに1年間、猶予期間を延長することができるとされています(国税徴収法第152条)
 ㊟ 換価の猶予をする場合において、差押えにより事業の継続や生活の維持を困難にするおそれがあるときは、税務署長は、その財産の差押えを猶予又は解除することができるとされています(国税徴収法第151条第2項)
3. 滞納処分の停止
 国税を滞納している納税者の方が震災により財産を喪失し、他に滞納処分を執行することができる財産がないと認められるなど一定の場合には、税務署長は、滞納処分の執行を停止することができるとされています(国税徴収法第153条)
  ㊟ 滞納処分の停止が3年間継続した場合は、延滞税を含め、納税義務は消滅します。
   なお、滞納処分の停止後、3年以内に納付資力が回復したなどの場合は滞納処分の停止が取り消されます。
4. 延滞税の免除
納税者の方が納税の猶予や換価の猶予の適用を受けるなど一定の場合には、延滞税が免除されます(国税通則法第63条)。
○ 国税通則法第46条第1項に基づく納税の猶予(納期限前の国税の猶予)の適用を受けた場合は、その猶予された期間に対応する延滞税の全部が免除されます。 また、国税通則法第46条第2項に基づく納税の猶予(納期限を経過した国税の猶予)の適用を受けた場合は、その猶予された期間に対応する延滞税の全部又は一部が免除されます。
○ 国税徴収法151条に基づき換価の猶予が行われた場合は、その猶予された期間に対応する延滞税の一部が免除されます(一定の場合は全部が免除されることがあります)。
Ⅲ 所得税の全部又は一部の軽減(確定申告)
災害により住宅や家財などに損害を受けたときは、確定申告で
①「所得税法」に定める雑損控除の方法、
②「災害減免法」に定める税金の軽減免除による方法
のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部又は一部を軽減することができます。これら2つの方法には、次のような違いがあります。
①所得税法(雑損控除)
②災害減免法
損失の発生原因
災害、盗難、横領による損失が対象となります。
災害による損失に限られます。
対象となる資産の範囲等
生活に通常必要な資産に限られます。
(棚卸資産や事業用の固定資産、山林、生活に通常必要でない資産は除かれます。)
住宅や家財。ただし、損害額が住宅や家財の価額の2分の1以上であることが必要です。
控除額の計算又は
所得税の軽減額
控除額は次の〈イ〉と〈ロ〉のうちいずれか多い方の金額です。
〈イ〉差引損失額-所得金額の10分の1 ※差引損失額=損害金額-保険金などによって補てんされる金額
〈ロ〉差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円
※災害関連支出=災害により滅失した住宅、家財を除去するための費用や豪雪による家屋の倒壊を防止するための屋根の雪下ろし費用など
その年の所得金額
所得税の軽減額
500万円以下
全額免除
500万円超
750万円以下
2分の1の軽減
750万円超
1,000万円以下
4分の1の軽減
参考事項
災害等に関連してやむを得ない支出をした金額についての領収書を確定申告書に添付するか、確定申告書を提出する際に提示することが必要です。
損失額が大きくて、その年の所得金額から控除しきれない金額は、翌年以後3年間に繰り越して各年の所得金額から控除できます。
原則として損害を受けた年分の所得金額が1,000万円以下の人に限ります。
「損失額の明細書」を確定申告書に添付することが必要です。
注:生活に通常必要でない資産とは、別荘や競走馬、1個又は1組の価額が30万円を超える貴金属、書画、骨とう等をいい、これらの資産についての災害等による損失は雑損控除の対象とはなりませんが、その年か翌 年に総合課税の譲渡所得があれば、その所得から控除できます。
(平成22年分による比較例(国税庁ホームページ掲載例)
所得600万円、夫婦子供2人(子供のうち1人が16~22歳)の場合で災害による損害がないときの所得税が27万2500円とした場合、所得税額は右の表のように軽減されます。損害額が100万円の場合は災害減免法を適用した方が有利になりますが、200万円、300万円の場合は所得税法の雑損控除を受けた方が有利になります。
  注1:災害関連支出の金額はなく、社会保険料控除68万円、生命保険料控除5万円として計算しました。
  注2:損害額は、住宅や家財の2分の1以上です。
損害額
雑損控除適用
災害減免法適用
所得税額
差引軽減額
所得税額
差引軽減額
100万円
212,500円
60,000円
136,200円
136,300円
200万円
112,500円
160,000円
300万円
55,000円
217,500円
雑損控除における「損失額の合理的な計算方法」
この度の震災によりご自身や扶養親族が所有する住宅や家財などに被害を受けた方が、雑損控除を適用する場合において、被害を受けた住宅や家財、車両の損失額を計算することが困難なときの計算方法(損失額の合理的な計算方法)を説明したものです。  「損失額の合理的な計算方法」により損失額を計算する方は、「東日本大震災に係る損失額計算システム(こちらから)」を利用できます。
この度の震災によりご自身や扶養親族が所有する住宅や家財などに被害を受けた方が、災害減免法又は雑損控除の適用により、平成22年分の源泉徴収された所得税や納付した所得税の還付の対象となるかどうかの判定表です。
Ⅳ 予定納税の減額・源泉徴収の徴収猶予など
所得税の軽減免除は、最終的には翌年の確定申告で精算されますが、予定納税や源泉徴収の段階でも、その減額又は徴収猶予を受けることができます。
 所得税法や災害減免法による所得税の軽減免除は、最終的には、翌年の確定申告で精算されますが、災害等が発生した後に納期限の到来する予定納税や給与所得者の源泉所得税などについて、確定申告の前にその減額又は徴収猶予などを受けることができます。
予定納税の減額
給与所得者の源泉所得税の徴収猶予など
所得税法
災害等を受けた日の区分
1月1日

6月30日
6月30日の現況によって、その年の所得金額と税額を見積もり、原則として7月15日までに第1期分及び第2期分の減額を申請してください。
災害減免法
左記〈イ〉、〈ロ〉のいずれにも該当するときは、所得金額の見積額に応じて源泉所得税額の徴収猶予や還付を受けることができます。
 なお、左記〈イ〉、〈ロ〉に該当しない場合であっても損害額がその年の所得金額の10分の1を超えるなど雑損控除の適用があると見込まれるときは、その雑損失の金額に対応する源泉所得税額が徴収猶予されます。
〈手続〉
徴収猶予
徴収猶予申請書を災害を受けた日以後、最初に給与の支払を受ける日の前日までに勤務先を経由して、災害を受けた方の納税地を所轄する税務署長に提出してください(※)。
※勤務先の所轄税務署長に提出しても構いません(この場合でも申請書の名あて人は、災害を受けた人の納税地の所轄税務署長としてください。)
還付
還付申請書に、還付を受けようとする税額が徴収済みである旨の勤務先の証明書を添えて、災害を受けた方の納税地を所轄する税務署長に提出してください。
手続きはこちら
「災害被災者に対する源泉所得税の徴収猶予・還付申請」
又は
「繰越雑損失がある場合の源泉所得税の徴収猶予承認申請手続」
7月1日

10月31日
10月31日の現況によって、その年の所得金額と税額を見積もり、原則として11月15日までに第2期分の減額を申請してください。
災害減免法
7月1日から12月31日までの間に災害を受けた場合で、次の〈イ〉、〈ロ〉のいずれにも該当するときは、その年の所得金額と「所得税の軽減額の計算」による税額とを見積もり、災害のあった日から2か月以内に減額を申請してください。
〈イ〉住宅や家財に受けた損害額がその価額の2分の1以上であること。
〈ロ〉その年の所得金額の見積額が1,000万円以下であること。
参考(所得税の軽減等措置の適用関係)
Ⅴ 災害に関する主な取扱い(所得税法・震災特例法)
(1) 災害により滅失・損壊した資産等
事業を営む個人の有する商品、店舗、事務所等の資産が災害により被害を受けた場合に、その被災に伴い次のような損失又は費用が生じたときには、その損失又は費用の額は損金の額に算入されます。
  1. 商品や原材料等の棚卸資産、店舗や事務所等の固定資産などの資産が災害により滅失又は損壊した場合の損失の額
  2. 損壊した資産の取壊し又は除去のための費用の額
  3. 土砂その他の障害物の除去のための費用の額
(2) 復旧のために支出する費用
事業を営む個人が、災害により被害を受けた固定資産(以下「被災資産」といいます。)について支出する次のような費用に係る資本的支出と修繕費の区分については、次のとおりとなります。
  1. 被災資産についてその原状を回復するための費用は、修繕費となります。
  2. 被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出する費用について、修繕費とする経理をしているときは、この処理が認められます。
  3. 被災資産について支出する費用(①又は②に該当するものを除きます。)の額のうち、資本的支出か修繕費か明らかでないものがある場合、その金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、この処理が認められます。
(3) 従業員等に支給する災害見舞金品
法人が、災害により被害を受けた従業員等又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品は、福利厚生費として損金の額に算入されます。  また、法人が、自己の従業員等と同等の事情にある専属下請先の従業員等又はその親族等に対して一定の基準に従って支給する災害見舞金品についても、同様に損金の額に算入されます。
 なお、事業を営む個人においても同様に取り扱われます。
(4) 災害見舞金に充てるために同業団体等へ拠出する分担金等
事業を営む個人が、所属する同業団体等の構成員の有する事業用資産について災害により損失が生じた場合に、その損失の補てんを目的とする構成員相互の扶助等に係る規約等に基づき合理的な基準に従って、同業団体等から賦課され、拠出する分担金等は、その支出する事業年度の損金の額に算入されます。
(5) 個人が支払を受ける災害見舞金
個人が支払を受ける災害見舞金で、その金額がその受贈者の社会的地位、贈与者との関係等に照らし社会通念上相当と認められるものについては、課税しないものとされています。
(6) 低利又は無利息により生活資金の貸付けを受けた場合の経済的利益
災害により臨時的に多額な生活資金を要することとなった役員又は使用人が、使用者からその資金に充てるために低利又は無利息で貸付けを受けた場合に、その返済に要する期間として合理的と認められる期間内に受ける利息相当額の経済的利益は、課税しなくて差し支えないこととされています。
(7) 被災事業用資産の損失の取扱い
平成23年分において、事業所得者等の有する棚卸資産、事業用資産等について大震災により生じた損失(以下「事業用資産の震災損失」といいます。)については、その損失額を平成22年分の事業所得の金額等の計算上、必要経費に算入することができます。
 この場合において、平成21年分から青色申告をしている方は、平成22年分の所得において純損失が生じたときは、事業用資産の震災損失も含めて、平成21年分の所得に繰り戻して所得税の還付請求をすることができます。 (国税庁の該当ページはこちらから
(8) 純損失の繰越控除
【所得税法の規定】
事業を営む個人のその年の前年以前3年内の各年において生じた純損失の金額のうち、棚卸資産、固定資産等について災害により生じた損失に係るもの(被災事業用資産の損失の金額)がある場合には、その損失の生じた年分が青色申告書を提出しなかった年分であっても、その被災事業用資産の損失の金額に相当する金額は、その年分の総所得金額等の計算上控除することとされています。
【震災特例法】
事業所得者等の有する棚卸資産、事業用資産等について大震災により生じた損失(以下、「事業用資産の震災損失」といいます。)を有する方の平成23年において生じた純損失の金額のうち、次に掲げるものについては、5年間繰り越すことができます。
① 保有する事業用資産等に占める事業用資産の震災損失額の割合が10分の1以上である方
イ 青色申告の場合  平成23年分の純損失の金額
ロ 白色申告の場合  平成23年分の被災事業用資産の損失の金額と変動所得に係る損失の金額による純損失の金額
② 上記以外の方  事業用資産の震災損失による純損失の金額
(9) 被災代替資産等の特別償却(個人事業者)
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に、
① 大震災により滅失又は損壊した建物、構築物、機械装置、船舶、航空機、車両運搬具に代わるこれらの資産の取得等をして事業の用に供した場合
② 建物、構築物、機械装置の取得等をして被災区域(被災区域とは、大震災により滅失した建物等の敷地等の区域をいいます。)内においてその事業の用に供した場合
には、これらの減価償却資産の取得価額に、次の区分ごとに、次の償却率を乗じた金額の特別償却ができます。
取得等の時期
平成23年3月11日から
平成26年3月31日までの間
平成26年4月1日から
平成28年3月31日までの間
被災代替資産等の区分
(1) 建物及び構築物
15%(18%)
10%(12%)
(2)機械及び装置
30%(36%)
20%(24%)
(3) 船舶、航空機又は車両及び運搬具
30%(36%)
20%(24%)
※ かっこ内は中小企業者等(「常時使用する従業員の数が1,000人以下の個人」をいいます。)が取得等をする場合の償却率です。
(10) 特定の事業用資産の買換え等の場合の譲渡所得の課税の特例
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に、事業の用に供している一定の資産(以下「譲渡資産」といいます。)の譲渡をした場合において、その譲渡の日の属する年の12月31日までに、その譲渡資産に対応する一定の資産(以下「買換資産」といいます。)の取得をし、その取得の日から1年以内にその買換資産をその個人の事業の用に供したとき、又は供する見込みであるときは、課税を繰り延べること(繰延割合100%)ができます。
 また、買換資産は、譲渡した年中に取得したもののほか、譲渡した年の前年中に取得して税務署長に届け出したものや、譲渡した年分の確定申告において、譲渡した年の翌年中に取得する見込みである旨の申告を行ったものについても、課税を繰り延べることができます。
譲渡資産
買換資産
被災区域である土地等又はこれらとともに譲渡をするその土地の上にある建物若しくは構築物(平成23年3月11日前に取得がされたものに限られます。)
国内にある土地等又は国内にある事業の用に供される減価償却資産
被災区域外の区域(国内に限ります。)にある土地等、建物又は構築物
被災区域である土地又はその土地の区域内にある事業の用に供される減価償却資産
(注) 「被災区域」とは、大震災により滅失(通常の修繕によっては現状回復が困難な損壊を含みます。)をした建物等の敷地及びその建物等と一体的に事業の用に供される附属施設の用に供されていた土地の区域をいいます。
※ 平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に、上記の表の譲渡資産とこれに対する買換資産との交換を行った場合などにおいても、上記と同様の要件の下、課税を繰り延べること(繰延割合100%)ができます。
Ⅵ 住宅借入金等特別控除の特例
大震災により住宅借入金等特別控除の適用を受けていた住宅について居住できなくなった場合についても、その住宅に係る住宅借入金等特別控除の残りの適用期間について、引き続き、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。

 (注)年末調整で住宅借入金等特別控除の適用を受けていた方(給与所得者の方)は、引き続き、年末調整で控除を受けることができます。年末調整によって控除を受ける場合の「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書(兼証明書)」をお持ちでない方は、最寄りの税務署で再発行を受けてください。
参考資料 (国税庁の該当ページにリンクしています)
東日本大震災により損害を受けた場合の所得税の取扱い(情報) (平成23年4月27日 個人課税課情報第3号、資産課税課情報第6号,5月24日更新)
地方税
 個人住民税
1. 雑損控除の特例
① 住宅や家財等に係る損失の雑損控除について、平成23年度住民税での適用ができます。
② 繰越し可能期間を5年とする(現行3年)。
2. 被災事業用資産の損失の特例
① 22年分所得の計算上、被災事業用資産の損失の必要経費への算入されます。 (※所得税の措置の自動影響・個人事業税も同様に自動影響)
② 被災事業用資産の損失による純損失について、繰越し可能期間を5年とする(現 行3年)。保有資産に占める被災事業用資産の割合が1割以上である場合には、 被災事業用資産以外の損失を含めて、現行3年の繰越しが可能な純損失について、 繰越期間を5年とする。 (※個人事業税も同様に措置)
上記の1,2については、所得税で申告した方については、基本的に手続不要です。ただし、所得税を納める必要がなく、住民税のみ納める必要がある方については、この軽減措置を受けるために手続きが必要ですので、お住まいの市町村にご相談、お問い合わせください。
3. 住宅ローン減税の適用の特例
住宅ローン控除の適用住宅が、大震災により滅失等しても、平成25年度分住民税 以降の残存期間の継続適用されます。
4. 財形住宅(年金)貯蓄を非課税で払出しを受けることができます
① 大震災で被害を受けたことにより、平成24年3月10日までに財形住宅(年金)貯蓄の払出しを受ける場合、その利子等は課税されません。
② 所得税について非課税の手続きをしていただいた方は、地方税の非課税措置を受けるための手続きは必要ありません。
③ 大震災後、この措置が始まる前に払出しを受けた方も、申請いただければ還付いたします。また、還付を受けるためには、都道府県に対して還付請求を行う必要があります。詳しくは、最寄りの都道府県・金融機関にお問い合わせください。
Ⅷ 申告・納付等の期限延長,減免措置
1. 申告・納付等の期限の延長
大震災により申告・納付等を期限までにできない方は、その期限が延長されます。これには、都道府県・市町村が条例で一律に期限を延長している場合と都道府県・市町村への申請により延長が認められる場合があります。詳しくは、お住まいの都道府県・市町村に問い合わせてください。
(1) 一律の期限延長
お住まいの都道府県・市町村が一律に期限を延長している場合には、平成23年3月11日以降に到来する全ての地方税の申告・納付等の期限が延長されています(手続きは必要ありません。)。
(2) 個別の申請による延長
上記(1)以外の地域の納税者の方についても、都道府県・市町村に申請することにより、申告・納付等の期限の延長が認められる場合があります。
2. 減免措置
上記の措置のほか、被害にあわれた方の状況を踏まえ、都道府県・市町村の条例の定めるところにより税の減免を受けることができます。
減免の内容や必要な手続きについては、お住まいの都道府県・市町村に問い合わせてください。