平成23年4月27日に「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(平成23年法律第29号) 」(以下、「震災特例法」といいます)が公布・施行されたことに伴い、 同日国税庁より震災特例法関係通達(法人税編)及び同通達の主要項目が公表されました。このページは、法人税関係を整理したものです。
ご参考にしてください。ただし、当事務所で取りまとめたものですので、解釈の相違が生じているかもしれませんので、その際は、自己の責任でご利用ください。
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資料
東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(平成23年4月27日法律第29号)
東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律要綱 (以下「震災特例法要綱」といいます)
東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律関係通達(法人税編)の制定について(法令解釈通達) (平成23年4月27日)
「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律関係通達(法人税編)の制定について」の主要項目
東日本大震災に係る震災特例法(法人税等関係)の概要
【 目 次 】
次に掲げる用語の意義は、それぞれ次によります。
(1) 震災特例法
東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(平成23年4月27日法律第29号)をいう。
(2) 震災特例法令
東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律施行令(平成23年4月27日政令第112号)をいう。
(3) 法
法人税法(昭和40年 3月31日 法律第34号)をいう。
(4) 法令
法人税法施行令(昭和40年 3月31日 政令第97号)をいう。
(5) 法規
法人税法施行規則(昭和40年 3月31日 大蔵省令第12号)をいう。
(6) 措置法
租税特別措置法(昭和32年3月31日法律第26号)をいう。
(7) 措置法令
租税特別措置法施行令(昭和32年3月31日政令第43号)をいう。
(8) 基本通達
昭和44年5月1日付直審(法)25「法人税基本通達」をいう。
(9) 連結基本通達
平成15年2月28日付課法2-3、課審4-7「連結納税基本通達」をいう。
(10) 措置法通達
昭和50年2月14日付直法2-2「租税特別措置法関係通達(法人税編)」をいう。
(11) 連結措置法通達
平成15年2月28日付課法2-5、課審4-8「租税特別措置法関係通達(連結納税編)」をいう。
(12) 耐用年数通達
昭和45年5月25日付直法4-25、直審(法)38「耐用年数の適用等に関する取扱通達」をいう。
(13) 震災費用通達
平成23年4月18日付課法2-3、課審5-5、査調4-3「東日本大震災に関する諸費用の法人税の取扱いについて」(法令解釈通達)をいう。
(15) 震災特例法通達
平成23年4月27日付課法2-5、課審5-8、査調4-4「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律関係通達(法人税編)の制定について」(法令解釈通達)をいう。
(16) 主要項目
平成23年4月27日付「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律関係通達(法人税編)の制定について」の主要項目をいう。
(17) 災害
東日本大震災をいう。
具体的には、
東北地方太平洋沖地震(平成23年3月11 日発生)及びその後において発生した余震並び
に余震活動地域の外側(長野県北部〜新潟県中越地方(3月12日、6月2日)、静岡県東部(3月15日)、秋田県内陸北部(4月1日)、茨城県南部(4月16日)、長野県中部(6月30日)におい
て発生した地震による災害
東北地方太平洋沖地震(その余震を含みます。)に伴い発生した津波、火災、爆発、ダムの決壊、福島第一、第二原子力発電所の事故による災害
その他1及び2に関連して生じた異常な現象による災害
第
15条((震災損失の繰戻しによる法人税額の還付))関係
震災特例法要旨
法人の平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間に終了する各事業年 度又は平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了する中間期間において生じた繰戻対象震災損失金額(欠損金額のうち東日本大震災により棚卸資産 等について生じた損失の額で一定のものに達するまでの金額をいう。)がある場合には、当該各事業年度に係る確定申告書又は当該中間期間に係る仮決算の中 間申告書の提出と同時に、その繰戻対象震災損失金額に係る事業年度又は中間期間(以下、「震災欠損事業年度」という)開始の日前2年以内に開始した事業年度(以下、「還付所得事業年度」という)の法人税額のうちその繰戻対象震 災損失金額に対応する部分の金額の還付を受けることができる。(第15条1項)
繰戻対象震災損失金額とは、
震災欠損事業年度の欠損金額のうち、震災損失金額に達するまでの金額をいいます。
震災損失金額とは、
震災損失金額とは、棚卸資産、固定資産又は繰延資産のうち他の者の有する固定資産を利用するために支出されたものについて生じた次に掲げる損失の額(保険金、損害賠償金そ の他これらに類するものにより補塡されるものを除きます。)の合計額をいいます(震災特例法令16条1項2項)
「棚卸資産等について震災により生じた損失の額」とは
滅失等による損失・・・・・・
東日本大震災によりその資産が滅失し、若しくは損壊したこと又はその震災による価値の減少に伴いその資産の帳簿価額を減額したことにより生じた損失の額(その資産の取壊し又は除去の費用その他付随費用に係る損失の額を含みます。)
原状回復の費用 ・・・・・・
東日本大震災により、その資産が損壊し、又はその価値が減少し、その他その資産を事業の用に供することが困難となった場合において、これらの被害があった日から1年以内にその資産の原状回復のために支出する修繕費、土砂その他の障害物の除去に要する費用その他これらに類する費用(その損壊又は価値の減少を防止するために支出する費用を含みます。)に係る損失の額
※ 適 用
(1)
法人税法第80条第1項((欠損金の繰戻しによる還付))による青色欠損金の繰戻し還付制度とは異なり、資本金1億円超の法人や青色申告書を提出する法人(青色申告法人)以外の法人であっても、この制度の適用を受けることができます。
(2)
この制度の適用を受けるためには、次の要件を満たしていることが必要です(震災特例法15条1項、3項、4項)。
①
還付所得事業年度から震災欠損事業年度の前事業年度まで連続して確定申告書を提出していること。
②
所要の事項を記載した還付請求書を震災欠損事業年度の確定申告書又は仮決算による中間申告書の提出と同時に納税地の所轄税務署長に提出すること。
なお、中間申告書にあっては、その提出期限までに提出している場合に限ります。
(3)
この制度の適用を受けることができるのは、震災損失金額が生じた事業年度又は中間期間が赤字の場合(欠損金額が生じている場合)です。
(4)
前事業年度において法人税法第80条による青色欠損金の繰戻し還付を受けている場合には、還付所得事業年度の法人税額及び所得金額から前事業年度に繰戻しの対象とした法人税額及び欠損金額を控除した残額を対象として、繰戻し還付の金額の計算をすることになります(震災特例法15条2項)。
(5)
いずれの還付所得事業年度にそれぞれいくらの繰戻対象震災損失金額を繰り戻すかは、法人の計算によることになります()。
(6)
青色申告書を提出している中小法人については、確定申告において、この制度と法人税法第80条との併用が可能です()。
この場合には、それぞれにつき還付請求書を作成して提出する必要があります。
(7)
仮決算による中間申告で繰戻し還付を受けた場合には、中間期間を含む事業年度の確定申告において、次のことに注意が必要です。
①
中間申告により還付金額の計算の基礎となった震災損失金額を確定申告時点の震災損失金額から控除します(震災特例法15条1項)。
②
還付所得事業年度の法人税額及び所得金額から中間申告で繰戻しの対象とした法人税額及び繰戻対象震災損失金額を控除した残額を対象として、繰戻し還付の金額の計算をすることになります(震災特例法15条2項)。
③
中間申告で繰戻しの対象とした繰戻対象震災損失金額に相当する金額は、中間期間を含む事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入します(震災特例法15条6項)。
[適用時期]
平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間に終了する各事業年度又は平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了する中間期間について適用されます(震災特例法15条1項)。
なお、還付請求書は確定申告書の提出と同時に提出することが原則ですが、周知期間を設ける観点から、平成23年3月11日を含む事業年度分の法人税の確定申告書を同年6月30日までに提出した法人の還付請求書は、同年7月31日までに提出すればよいこととされています(震災特例法15条1項、震災特例法附則5条)。
通達の主要項目より
法人の平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間に終了する各事業年度又は平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了する中間期間において生じた繰戻対象震災損失金額がある場合には、その繰戻対象震災損失金額に係る事業年度又は中間期間(以下「震災欠損事業年度」といいます。)開始の日前2年以内に開始した事業年度(以下「還付所得事業年度」といいます。)の法人税額のうちその繰戻対象震災損失金額に対応する部分の金額の還付を受けることができる制度が創設されました。
この制度の適用に関して、次のような事項を明らかにしています。
(中間申告書の提出を要しない法人の還付請求)
震災特例法通達15-1
事業年度開始の日以後6月の期間(平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了するものに限る。)について、法人税法第71条第1項ただし書((中間申告))の規定により同条に規定する中間申告書の提出を要しないこととされている法人であっても、当該期間において生じた震災特例法第15条第1項に規定する繰戻対象震災損失金額について同項の規定による震災損失の繰戻しによる法人税の還付を請求することができることに留意する。
(震災損失の対象となる固定資産に準ずる繰延資産の範囲)
震災特例法通達15-2
震災特例法令第16条第1項に規定する「固定資産に準ずる繰延資産」とは、繰延資産のうち他の者の有する固定資産を利用するために支出されたものをいうのであるから、次に掲げるような繰延資産が該当する。
(1) 自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出した費用
(2) 固定資産を賃借し又は使用するために支出した権利金、立退料その他の費用
(3) 広告宣伝の用に供する固定資産を贈与したことにより生じた費用
(注) 繰延資産を計上している法人がその繰延資産の対象となった固定資産の損壊等により復旧に要する費用を支出した場合において、その復旧に要する費用が支出時の損金として認められるときは、その支出した費用の額は震災特例法令第16条第2項に規定する損失の(以下15-3から15-5までにおいて「震災損失の額」という。)に該当することに留意する。
(震災損失の額に含まれる棚卸資産等の譲渡損)
震災特例法通達15-3
棚卸資産又は固定資産の譲渡による損失の額は、震災損失の額には含まれないのであるが、災害のあった日を含む事業年度において、法人が、災害により著しく損傷したこれらの資産を譲渡したことにより生じた損失の額のうち被害を受けたことに起因する金額を震災損失の額に含めているときは、これを認める。
通達の主要項目
(1) 震災損失の額に含まれる棚卸資産等の譲渡損(15-3)
繰戻対象震災損失金額の基となる震災損失の額とは、被災した資産の原状回復のための修繕費用等のほか、震災による資産の滅失損や評価損をいうものとされています。
このため、東日本大震災(以下「災害」といいます。)により著しく損傷しその価値が減少した棚卸資産又は固定資産(以下「被災棚卸資産等」といいます。)をその災害のあった日を含む事業年度に譲渡した場合の譲渡損は、資産の滅失損や評価損のいずれにも当たらないため、震災損失の額には含まれないのではないかという疑義が生じます。
この点について、災害により著しく損傷しその価値が減少した被災棚卸資産等について生じた譲渡損失の額の中には、評価損に該当する金額が含まれていることも考えられます。
そこで、本通達においては、法人が、災害により被災棚卸資産等を譲渡したことにより生じた損失の額のうち被害を受けたことに起因する評価損に相当する金額を震災損失の額として処理している場合には、その処理が認められることを明らかにしています。
(災害損失特別勘定を設定した場合の震災損失の範囲)
震災特例法通達15-4
の取扱いにより災害損失特別勘定に繰り入れた金額は、震災損失の額に含めるものとする。
(注) 法人の平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間に終了する事業年度が2以上ある場合において、これらの事業年度のうち、災害損失特別勘定に繰り入れた事業年度後に終了する事業年度に修繕費用等の支出があるときの当該事業年度に係る震災損失の額の計算については、同通達の7の取扱いを準用する。
主要項目
(2) 災害損失特別勘定を設定した場合の震災損失の範囲(15-4)
平成23年4月18日付「」(法令解釈通達)においては、被災棚卸資産等の修繕等のために要する費用を災害損失特別勘定として繰り入れることを認めています。
また、本制度の対象となる繰戻対象震災損失金額には、被災棚卸資産等の原状回復のために支出する修繕費等に係る損失の額が含まれることとされています。
このため、本制度の対象となる繰戻対象震災損失金額に災害損失特別勘定の繰入額が含まれるかどうかという疑義が生じます。
この点について、災害損失特別勘定は、被災棚卸資産等の修繕等のために要する費用で、災害のあった日から1年以内に支出すると見込まれるものとして適正に見積もることができるものを災害のあった日を含む事業年度の損金の額に算入するものであり、本制度の「被災棚卸資産等の原状回復のために支出する修繕費等」に該当します。
そこで、本通達においては、災害損失特別勘定への繰入額は、本制度における震災損失の額に含まれることを明らかにしています。
※ 東日本大震災関係諸費用(災害損失特別勘定など)に関する法人税の取扱いに係る質疑応答事例
(震災損失の額に含まれない費用の範囲)
震災特例法通達15-5
震災損失の額には、けが人への見舞金、被災者への弔慰金等のように滅失又は損壊した資産に直接関連しない費用は含まれないことに留意する。
(
繰戻対象震災損失金額と青色欠損金額がある場合の繰戻し還付)
震災特例法通達15-6
法人税法第2条第37号((定義))に規定する青色申告書を提出する法人(措置法第66条の13第1項各号((中小企業者等以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付の不適用))に掲げる法人に限る。)が、震災特例法第15条第1項に規定する震災欠損事業年度(同項に規定する中間期間を除く。)において、同項の規定の適用を受ける繰戻対象震災損失金額以外の欠損金額を有する場合には、当該欠損金額について法人税法第80条第1項((欠損金の繰戻しによる還付))の規定の適用を受けることができることに留意する。
震災特例法通達15-7
震災特例法第15条の規定の適用に当たり、同条第1項に規定する還付所得事業年度が2以上ある場合、同項の繰戻対象震災損失金額をいずれの還付所得事業年度に配分するかは法人の計算によることに留意する。
(欠損金の繰戻しによる還付に係る取扱いの準用)
震災特例法通達15-8
震災特例法第15条の規定による法人税額の還付(同条第1項に規定する仮決算の中間申告書に係る還付を含む。)の請求があった場合の還付金額の計算等については、基本通達17-2-1及び17-2-2に準じて取り扱うものとする。
法人税基本通達
(還付金額の計算)
17-2-1 法第80条第1項《欠損金の繰戻しによる還付》の規定による法人税の還付請求があった場合において、当該還付請求について還付すべき金額は、当該金額の算定を行う時において確定している還付所得事業年度の所得の金額及び法人税の額並びに欠損事業年度の欠損金額(当該欠損金額が請求に係る還付金額の計算の基礎として法人が還付請求書に記載した欠損金額を超える場合には、その記載した金額)を基礎として同条第1項の規定により計算した金額による。(平15年課法2-7「五十八」により改正)
(還付請求書だけが期限後に提出された場合の特例) 17-2-2 法人が法第74条《確定申告》の規定による確定申告書を期限内に提出し、当該申告書に記載された欠損金額に基づいて法人税の還付請求書を期限後に提出した場合において、その期限後の提出が錯誤に基づくものである等期限後の提出について税務署長が真にやむを得ない理由があると認めるときは、法第80条《欠損金の繰戻しによる還付》の規定を適用することができるものとする。(平15年課法2-7「五十八」により改正)
第
16条((仮決算の中間申告による所得税額の還付))
震災特例法要旨
平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了する中間期間において震災損失金額がある場合には、その中間期間に係る仮決算の中間申告において、その中間期間において課される源泉所得税額でその中間期間の法人税額から控除しきれなかった金額(震災損失金額を限度)を還付することとされました(震災特例法16条)。
対象となる源泉所得税額
次のものに課される源泉所得税額をいいます(震災特例法16条1項、震災特例法令17条2項)。
利子等、配当等、給付補てん金、利息、利益、
差益、利益の分配又は賞金
懸賞金付預貯金等の懸賞金等
割引債の償還差益
国外公社債等の利子等
民間国外債の利子
国外投資信託等の配当等
国外株式の配当等
外国特定目的信託の利益の分配
外国特定投資信託の収益の分配
[留意点]
(1)
仮決算による中間申告書をその期限内に提出し、還付を受ける所得税額などの記載をする必要です(震災特例法16条1項、法72条1項三、73条、81条の20 1項三、法規32条2項)。
(2)
外国税額と所得税額の両方がある場合には、①外国税額、②所得税額の順に控除を行うとしたときに控除しきれない所得税額が対象とされます(震災特例法16条1項)。
(3)
仮決算による中間申告で還付を受けた金額は、確定申告において改めて所得税額控除(又は所得税額の還付)を受けることはできません(震災特例法16条3項)。
(4)
法人税法第40条((法人税額から控除する所得税額の損金不算入))の規定により損金不算入とされる金額は、確定申告のさいには、仮決算による中間申告で還付を受けた金額と確定申告で控除(又は還付)を受ける金額の合計額になります(震災特例法16条3項)。
[適用時期]
平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了する中間期間について適用されます(震災特例法16条1項)。
震災特例法要旨
東日本大震災に係る国税通則法の規定による申告期限の延長により、中間申告書の提出期限と確定申告書の提出期限とが同一の日となる場合は、その中間申告書の提出を要しないこととされました(震災特例法17条)。
震災特例法要旨
事業者が、平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に、東日本大震災に より滅失若しくは損壊をした建物、構築物若しくは機械装置若しくは一定の船舶、 航空機若しくは車両運搬具の代替資産(被災代替資産)の取得等をしてその事業の用に供した場合又 は建物、構築物若しくは機械装置(被災区域内供用資産)の取得等をして被災区域(東日本大震災により滅 失をした建物等の敷地等の区域をいう。以下同じ。)内においてその事業の用に 供した場合には、これらの減価償却資産の取得価額にその取得等の時期に応じた次 の償却割合を乗じた金額の特別償却ができることとする。(震災特例法第18条)
1 建物又は構築物
① 平成23年3月11日から平成26年3月31日までの間に取得等をしたもの 100 分の15(中小企業者等にあっては、100分の18)
② 平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に取得等をしたもの 100 分の10(中小企業者等にあっては、100分の12)
2 機械装置又は一定の船舶、航空機若しくは車両運搬具
① 平成23年3月11日から平成26年3月31日までの間に取得等をしたもの 100 分の30(中小企業者等にあっては、100分の36)
② 平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に取得等をしたもの 100 分の20(中小企業者等にあっては、100分の24)
(注) 被災代替資産、被災区域内供用資産いずれの資産も、その建設又は製作の後事業の用に供されたことのないものに限り、機械及び装置、船舶、航空機並びに車両及び運搬具にあっては貸付けの用に供したものを除きます。
「被災代替資産」とは、
東日本大震災により滅失又は損壊した建物(その附属設備を含みます。)、構築物、機械及び装置、船舶、航空機又は車両及び運搬具に代わるものとして取得等をして事業の用に供した資産で、被災した資産の滅失又は損壊の直前の用途と同一の用途に供されるものをいいます(震災特例法令18条1項)。
「被災区域内供用資産」とは、
取得等をして被災区域内において事業の用に供した建物(その附属設備を含みます。)、構築物又は機械及び装置をいいます。
なお、被災区域とは、東日本大震災により滅失(通常の修繕によっては原状回復が困難な損壊を含みます。)をした建物又は構築物の敷地及びその建物又は構築物と一体的に事業の用に供される附属施設の用に供されていた土地の区域をいいます。
中小企業者等とは、
中小企業者又は農業協同組合等をいいます(震災特例法18条1項)。 なお、中小企業者とは、資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下の法人のうち次に掲げる法人以外の法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人をいいます(措置法42条の4 6項、12項五号 ・六号、措置令27条の4 10項)。
①
発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上が同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。)の所有に属している法人
②
①のほか、発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上が大規模法人の所有に属している法人
[留意点]
(1)
青色申告法人以外の法人であっても、この制度の適用を受けることができます。
なお、この制度の適用を受けようとする事業年度又は中間期間において、償却費として損金経理することが必要です(法31条1項、震災特例法18条1項)。
(2)
青色申告法人にあっては、償却費として損金算入した金額が特別償却限度額に満たない場合には、その満たない部分の金額(特別償却不足額)を1年間繰り越すことができます(震災特例法18条2項、措置法52条の2)。
(3)
この制度の適用を受けるためには、確定申告書又は仮決算による中間申告書に償却限度額の計算に関する明細書を添付する必要があります(震災特例法18条3項)。
(4)
特別償却限度額以下の金額を損金経理により特別償却準備金として積み立てる方法(その事業年度の決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法を含みます。)によることも認められます(震災特例法18条4項、措置法52条の3、)。
(5)
この制度の適用を受けた被災代替資産等については、租税特別措置法に規定する他の特別償却制度等の適用を受けることはできません(震災特例法18条5項、措置措法53条)。
[適用時期]
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に取得等をして事業の用に供する被災代替資産等について適用されます(震災特例法18条1項)。
(同一の用途の判定)
震災特例法通達18-1
震災特例法令第18条第1項各号に規定する「当該滅失又は損壊の直前の用途と同一の用途に供される」ものであるかどうかは、その資産の種類に応じ、おおむね次に掲げる区分により判定する。
(1)
建物(その附属設備を含む。以下18-9までにおいて同じ。)にあっては、住宅の用、店舗又は事務所の用、工場の用、倉庫の用、その他の用の区分
(2)
構築物にあっては、鉄道業用又は軌道業用、その他の鉄道用又は軌道用、発電用又は送配電用、電気通信事業用、放送用又は無線通信用、農林業用、広告用、競技場用、運動場用、遊園地用又は学校用、緑化施設及び庭園、舗装道路及び舗装路面、その他の区分
(3)
機械及び装置にあっては、耐用年数通達付表10((機械及び装置の耐用年数表(旧別表第2) ))に掲げる設備の種類の区分
(4)
船舶にあっては、漁船、運送船(貨物船、油そう船、薬品そう船、客船等をいう。)、作業船(しゅんせつ船及び砂利採取船を含む。)、その他の区分
(5)
航空機にあっては、航空運送事業用、航空機使用事業用、自家用の区分
(6)
車両及び運搬具にあっては、次に掲げる車両及び運搬具の区分に応じ、それぞれ次に掲げる用途の区分
イ
道路運送車両法第4条((登録の一般的効力))に規定する自動車登録ファイルに登録されている自動車及び同法第72条第1項((検査記録))に規定する軽自動車検査ファイルに記録されている検査対象軽自動車 運送事業用、自家用の区分
ロ
地方税法第442条の2第1項((軽自動車税の納税義務者等))の規定の適用を受ける小型特殊自動車 農耕作業用、その他の区分
ハ
震災特例法令第18条第1項第1号に規定する被災建物(以下18-1及び18-3において「被災建物」という。)又は当該被災建物に代わるものとして取得等(取得又は製作若しくは建設をいう。以下18-10までにおいて同じ。)をした建物(以下18-1及び18-3において「被災代替建物」という。)が2以上の用途に併用されている場合において、被災代替建物が被災建物と同一の用途に供されるものであるかどうかは、各々の用途に区分して判定するのであるが、法人が主たる用途により判定しているときは、これを認めて差し支えない。
被災建物が用途の異なる2以上の建物である場合において、一の被災代替建物が2以上の用途に併用される建物であるとき、又は一の被災建物が2以上の用途に併用されている場合において、被災代替建物が用途の異なる2以上の建物であるときも、同様とする。
(注)
震災特例法令第18条第1項第1号に規定する被災建物(以下18-1及び18-3において「被災建物」という。)又は当該被災建物に代わるものとして取得等(取得又は製作若しくは建設をいう。以下18-10までにおいて同じ。)をした建物(以下18-1及び18-3において「被災代替建物」という。)2以上の用途に併用されている場合において、被災代替建物が被災建物と同一の用途に供されるものであるかどうかは、各々の用途に区分して判定するのであるが、法人が主たる用途により判定しているときは、これを認めて差し支えない。
被災建物が用途の異なる2以上の建物である場合において、一の被災代替建物が2以上の用途に併用される建物であるとき、又は一の被災建物が2以上の用途に併用されている場合において、被災代替建物が用途の異なる2以上の建物であるときも、同様とする。
(床面積の意義)
震災特例法通達18-2
震災特例法令第18条第1項第1号に規定する床面積は、建築基準法施行令第2条第1項第3号((面積、高さ等の算定方法))に規定する床面積によるものとする。
(2以上の被災代替建物を取得した場合の適用)
震災特例法通達18-3
法人が、一の被災建物に代わるものとして滅失又は損壊の直前の用途と同一の用途に供される2以上の被災代替建物の取得等をして事業の用に供する場合において、当該2以上の被災代替建物の床面積の合計面積が当該被災建物の床面積の1.5倍を超えるときは、当該2以上の被災代替建物の床面積のうちいずれを当該被災建物の床面積の1.5倍に相当する部分とするかは、法人の計算によるものとする。
(注)
法人が、2以上の事業年度にわたって被災代替建物の取得等をして事業の用に供する場合において、最初に震災特例法第18条第1項の規定の適用を受ける事業年度の同項の規定の適用を受ける当該被災代替建物の床面積が被災建物の床面積の1.5倍に満たないときは、その満たない床面積に相当する部分は、翌事業年度以後に取得等をして事業の用に供する被災代替建物に充てることができることに留意する。
主要項目 (1) 2以上の被災代替建物を取得した場合の適用(18-3)
法人が、被災建物に代わるものとして同一の用途に供される建物(以下「被災代替建物」といいます。)を取得した場合、その被災代替建物の床面積が被災建物の床面積の1.5倍を超えるときには、その超える部分は特別償却の対象外とされます。
このため、一の被災建物に対して2以上の被災代替建物の取得をした場合において、その床面積の合計が当該被災建物の床面積の1.5倍を超えるとき、当該2以上の被災代替建物のどの部分を特別償却の対象としてよいかという疑義が生じます。
この点について、当該2以上の建物はいずれも被災代替建物であることから、その床面積のうちいずれを当該被災建物の床面積の1.5倍に相当する部分とするかは、法人が任意に決めることができます。
本通達においてはこのことを明らかにしています。
(おおむね同程度以下の構築物の意義)
震災特例法通達18-4
震災特例法令第18条第1項第2号に規定する「おおむね同程度以下のもの」とは、法人が取得等をした構築物の規模が同号に規定する被災構築物の規模のおおむね1.3倍程度以下のものをいうものとする。
(貸付けの用に供したものに該当しない資産の貸与)
震災特例法通達18-5
法人が、その取得等をした機械及び装置を自己の下請業者に貸与した場合において、当該機械及び装置が専ら当該法人のためにする製品の加工等の用に供されるものであるときは、当該機械及び装置は当該法人の営む事業の用に供したものとして震災特例法第18条の規定を適用する。
法人が、その取得等をした車両及び運搬具を自己の下請業者に貸与した場合において、当該車両及び運搬具が専ら当該法人のためにする商品、製品等の運送の用に供されるものであるときも、同様とする。
主要項目
本制度の適用上、被災代替資産等に該当する機械及び装置、車両運搬具等については、自己の事業の用に供することを要し、他に貸し付けるような場合にはその適用がないこととされています。
このため、法人がその取得等をした機械及び装置を自己の下請業者に貸与した場合には、貸付けの用に供したものとして本制度の適用は受けられなくなるのかという疑義が生じます。
この点について、貸付けの用といっても、法人が専属の下請業者に対して、その製品の加工等をさせるために貸与する機械及び装置については、当該法人が自ら事業の用に供しているとみることができます。
そこで、本通達においては、法人が、機械及び装置を自己の下請業者に貸与した場合において、その機械及び装置が専ら当該法人のためにする製品の加工等の用に供されるものであるときは、自己の事業の用に供したものとして取り扱うこととすることを明らかにしています。
また、法人が、車両運搬具を自己の下請業者に貸与した場合においても、その車両運搬具が専ら当該法人のためにする商品、製品等の運送の用に供されるものであるときは、機械及び装置の場合と同様に取り扱われることを明らかにしています。
(船舶又は航空機の貸付けの意義)
震災特例法通達18-6
震災特例法第18条第1項に規定する被災代替資産等には、いわゆる裸用船(機)契約に基づく船舶又は航空機の貸付けの用に供するものは含まれないが、いわゆる定期用船(機)契約又は航海用船(機)契約に基づく用船(機)の用に供するものは含まれる。
(通常の修繕によっては原状回復が困難な損壊の意義)
震災特例法通達18-7
震災特例法第18条第1項に規定する「通常の修繕によっては原状回復が困難な損壊」とは、災害により損壊をした建物又は構築物につき、今後取壊し若しくは除去をせざるを得ない場合又は相当の修繕を行わなければ今後事業の用に供することができないと認められる場合の当該建物又は構築物に係る損壊をいうことに留意する。
(建物等と一体的に事業の用に供される附属施設)
震災特例法通達18-8
震災特例法第18条第1項に規定する「建物又は構築物と一体的に事業の用に供される附属施設」とは、滅失(通常の修繕によっては原状回復が困難な損壊を含む。以下18-8において同じ。)をした建物又は構築物と機能的及び地理的な一体性を有して事業の用に供される施設をいうのであるから、例えば、滅失をした工場の構内にある守衛所、詰所、自転車置場、浴場その他これらに類する施設又は滅失をした建物に隣接する駐車場等の施設がこれに該当する。
(注) 同項に規定する附属施設は、滅失をしたものであるかどうかは問わないことに留意する。
(付随区域)
震災特例法通達18-9
震災特例法第18条第1項に規定する「被災区域である土地に付随して一体的に使用される土地」とは、当該被災区域である土地と一団をなす土地で当該被災区域である土地の使用に伴って一体的に使用されるものをいうのであるから、例えば、建物を建築する場合において、当該被災区域である土地とともにその建物の敷地の用に供される土地がこれに該当する。
(中小企業者であるかどうかの判定の時期)
震災特例法通達18-10
法人が、震災特例法第18条第1項に規定する「中小企業者」に該当する法人であるかどうかは、その取得等をした同項に規定する被災代替資産等を事業の用に供した日の現況によって判定するものとする。
(特別償却の適用と償却不足額の繰越し)
震災特例法通達18-11
震災特例法第18条の特別償却の規定は、青色申告書の提出の承認を受けていない法人についても適用があるのであるが、青色申告書を提出しない場合には、特別償却不足額の繰越しは認められないことに留意する。
第19条~21条((特定の資産の買換えの場合等の課税の特例))関係
特定の資産の買換えの場合の課税の特例
要旨
事業者が、平成23年3月11日から平成28年3月31日までの期間(以下「対象期間」という。)内に、次の買換えを行った場合には、その買換えに係る対象期間内に 資産の譲渡をして、その譲渡の日を含む事業年度において取得をし、かつ、その取得の日から1年以内にその事業の用に供する資産について、その譲渡をした資産に 係る譲渡利益金額に相当する金額の範囲内で圧縮記帳(課税繰延割合100%)ができる。
(震災特例法19条)
(1)
被災区域である土地等又はこれらとともに譲渡をするその土地の区域内にあ
る建物若しくは構築物で、平成23年3月11日前に取得がされたものから、国内にある土地等又は国内にある事業の用に供される減価償却資産への買換え
○ 被災区域内での買換え又は被災区域内から被災区域外への買換え
1. 譲渡資産は、被災区域である土地(土地の上に存する権利を含みます。)又はこれとともに譲渡をするその土地
の区域内にある建物(その附属設備を含みます。)若しくは構築物で、平成23 年3月11 日前に取得
(建設を含みます。)がされたもの であること。
2. 買換資産は、国内にある土地又は国内にある事業の用に供される減価償却資産であること。
(2)
被災区域である土地以外の土地の区域内にある土地等、建物又は構築物から、
被災区域である土地等又はその土地の区域内にある事業の用に供される減価償
却資産への買換え
○ 被災区域外から被災区域内への買換え
1. 譲渡資産は、被災区域である土地以外の土地の区域(国内に限ります。)内にある土地、建物又は構築物であること。
2. 買換資産は、被災区域である土地又はその土地の区域内にある事業の用に供される減価償却資産であること。
※ 圧縮限度額の計算
この制度による圧縮限度額は、次の算式により計算します(震災特例法19条1項・13項、措法65条の7 15項三・四)
圧縮限度額 = 圧縮基礎取得価額 × 差益割合
(1)
圧縮基礎取得価額とは、次の①及び②に掲げる金額のうちいずれか少ない金額をいいます。
①
買換資産の取得価額
②
譲渡資産の対価の額(既に圧縮記帳の適用を受けている場合には、他の買換資産に充てられた金額を控除した残額)
(2)
差益割合とは、次の算式により計算した割合をいいます。
{譲渡対価の額-(譲渡直前の帳簿価額+譲渡経費の額)}÷譲渡対価の額
[留意点]
(1)
青色申告法人以外の法人であっても、この制度の適用を受けることができます。
なお、この制度の適用を受けようとする事業年度又は中間期間において、圧縮限度額の範囲内で買換資産の帳簿価額を損金経理により減額することが必要です(震災特例法19条1項)。
(2)
買換資産の帳簿価額を損金経理により減額することに代えて、圧縮限度額以下の金額を確定した決算において積立金として積み立てる方法(その事業年度の決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法を含みます。)によることも認められます(震災特例法19条1項)。
(3)
買換資産の土地等の面積が譲渡資産の土地等の面積の5倍を超える場合には、その超える部分の面積に対応する土地等は買換資産に該当しません(震災特例法19条2項、震災特例法令19条3項)。
(4)
一定の場合には、買換資産を先行して取得したときにもこの制度の適用があります。なお、この適用を受ける場合には、資産を取得した日を含む事業年度終了の日の翌日から2月以内に、「先行取得資産に係る買換えの特例の適用に関する届出書」に所定の事項を記載して所轄税務署長に提出する必要があります(震災特例法19条3項、震災特例法令19条5項)。
(5)
この制度の適用を受けた場合において、買換資産の取得をした日から1年以内に、その買換資産を事業の用に供しない場合又は供しなくなった場合には、買換資産の取得の日から1年を経過する日又は買換資産を事業の用に供しなくなった日を含む事業年度において、圧縮記帳により損金の額に算入した金額に相当する金額を益金の額に算入することとされています(震災特例法19条4項)。
(6)
この制度の適用を受けるためには、確定申告書又は仮決算による中間申告書に損金算入に関する申告の記載をし、かつ、その確定申告書等にその損金の額に算入される金額の計算に関する明細書等を添付する必要があります(震災特例法19条5項、措法65条の7 5項・6項)。
(7)
この制度の適用を受けた買換資産については、租税特別措置法に規定する特別償却制度等及び震災特例法における「被災代替資産等の特別償却」の適用を受けることはできません(震災特例法18条5項、19条6項、措法65条の7 7項)。
[適用時期]
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に譲渡資産を譲渡し、平成23年3月11日以後に取得(建設及び製作を含みます。)をする買換資産について適用されます(震災特例法19条1項、震災特例法附則6条)。
特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例
要旨
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの期間内に、上記1の〔譲渡資産〕の譲渡をした場合において、その譲渡をした日を含む事業年度終了の日の翌日から1年を経過する日までの期間内に、その譲渡資産に対応する買換資産の取得をする見込みであり、かつ、その取得の日から1年以内にその買換資産を事業の用に供する見込みであるときは、以下の算式により計算した金額をその譲渡の日を含む事業年度の確定した決算において特別勘定を設ける方法(その事業年度の決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法を含みます。)により経理した場合に限り、その経理した金額を損金の額に算入することができる。(震災特例法20条)
特別勘定の金額=譲渡対価のうち買換資産の取得に充てようとする額×差益割合
[適用時期]
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に譲渡資産を譲渡した場合に適用されます(震災特例法20条1項)。
特定の資産を交換した場合の課税の特例
要旨
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に、上記1の〔譲渡資産〕と〔買換資産〕との交換をした場合には、一定の要件の下で、特定の資産の買換えの場合の課税の特例又は特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例の制度が適用されます(震災特例法21条)。
[適用時期]
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に交換を行った場合に適用されます(震災特例法21条1項)。
通達の主要項目
法人が、平成23年3月11日から平成28年3月31日までの期間(以下「対象期間」といいます。)内に、次の買換えを行った場合には、その買換えに係る対象期間内に資産の譲渡をして、その譲渡の日を含む事業年度において取得をし、かつ、その取得の日から1年以内にその事業の用に供する資産について、その譲渡をした資産に係る譲渡利益金額に相当する金額の範囲内で圧縮記帳ができる制度が創設されました。
(1)
被災区域である土地等又はこれらとともに譲渡をするその土地の区域内にある建物若しくは構築物で、平成23年3月11日前に取得されたものから、国内にある土地等又は国内にある事業の用に供される減価償却資産への買換え
(2)
被災区域である土地以外の土地の区域内にある土地等、建物又は構築物から、被災区域である土地等又はその土地の区域内にある事業の用に供される減価償却資産への買換え
この制度の適用に関して、次の事項を明らかにしています。
(平成23年3月11日前に取得をした土地等についての買換えの適用)
震災特例法通達19-1
法人が、平成23年3月11日前に取得をした土地又は土地の上に存する権利(以下19-1において「土地等」という。)とともに当該土地等の上に同日以後に建設をした建物又は構築物を譲渡した場合には、当該建物又は構築物は震災特例法第19条第1項の表の第1号の上欄に規定する譲渡資産に該当しないが、当該土地等は当該譲渡資産に該当することに留意する。
(注)
震災特例法第19条第1項の表の第1号の上欄に規定する資産が平成23年3月11日前に取得されたかどうかの判定に当たり、当該資産が震災特例法令第19条第20項の規定により準用する措置法令第39条の7第39項各号に掲げる資産に該当する場合には、同項の規定によりいわゆる取得日の引継ぎが認められるのであるから留意する。
通達の主要項目
平成23年3月11日前に取得をした土地等についての買換えの適用(19-1)
本制度の適用上、譲渡資産は、平成23年3月11日前に取得された被災区域である土地等又は当該土地等の区域内にある建物等とされています。
このため、法人が、同日前に取得をした土地等と同日以後に当該土地等の上に建設をした建物等を一括譲渡した場合には、当該土地等についても本制度の譲渡資産には該当しないことになるのかという疑義が生じます。
この点について、当該土地等と建物等は別個の資産であり、譲渡資産に該当するか否かは別々に判定しますので、平成23年3月11日前に取得をした土地等については譲渡資産に該当するものの、同日後に取得をした建物等はこれに該当しないこととなります。
なお、法人が取得をした資産が、平成23年3月11日前に取得されたかどうかの判定に当たり、当該資産が適格合併により取得をしたものである場合等一定の場合には、被合併法人等の土地等の取得日が合併法人に引き継がれることとされていることから、被合併法人等の土地等の取得日が合併法人の取得をした日となることとなります。
本通達においてはこれらのことを留意的に明らかにしています。
(特定の資産の買換えの場合等の課税の特例制度に係る取扱いの準用)
震災特例法通達19-2
震災特例法第19条から第21条までの規定による対象資産の範囲、事業の用に供したことの意義等については、措置法通達65の7(1)-1から65の7(1)-15まで、65の7(1)-33から65の7(4)-7まで及び65の7(4)-9から65の7(5)-3までに準じて取り扱う。
第
22条((代替資産の取得期間等の延長の特例))関係
特定の資産を交換した場合の課税の特例
要旨
収用等に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例(措法64条の2)及び特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例(措法65条の8)について、東日本大震災のため、代替資産又は買換資産をその取得すべき期間(その末日が平成23年3月11日から平成24年3月31日までの間にあるものに限ります。)内に取得することが困難となった場合には、一定の要件の下に、その期間を2年以内の範囲で延長することができることとする(震災特例法22条)。
第
23条((連結法人の震災損失の繰戻しによる法人税額の還付))関係
災害特例法要旨
平成23 年3月11 日から平成24 年3月10 日までの間に終了する各事業年度又は平成23 年3月11
日から同年9月10 日までの間に終了する中間期間(震災欠損事業年度)において生じた繰戻対象震
災損失金額がある場合には、その震災欠損事業年度開始の日前2年以内に開始したいずれかの事業年
度(還付所得事業年度)の法人税額のうち繰戻対象震災損失金額に対応する部分の金額について、繰
戻し還付を請求することができることとされました(震災特例法23条)。
繰戻対象震災損失金額とは、
震災欠損事業年度の欠損金額のうち、震災損失金額に達するまでの金額をいいます。
震災損失金額とは、
震災損失金額とは、棚卸資産、固定資産又は繰延資産のうち他の者の有する固定資産を利用するために支出されたものについて生じた次に掲げる損失の額(保険金、損害賠償金そ の他これらに類するものにより補塡されるものを除きます。)の合計額をいいます(震災特例法令21条1項)
「棚卸資産等について震災により生じた損失の額」とは
滅失等による損失・・・・・・
東日本大震災によりその資産が滅失し、若しくは損壊したこと又はその震災による価値の減少に伴いその資産の帳簿価額を減額したことにより生じた損失の額(その資産の取壊し又は除去の費用その他付随費用に係る損失の額を含みます。)
原状回復の費用 ・・・・・・
東日本大震災により、その資産が損壊し、又はその価値が減少し、その他その資産を事業の用に供することが困難となった場合において、これらの被害があった日から1年以内にその資産の原状回復のために支出する修繕費、土砂その他の障害物の除去に要する費用その他これらに類する費用(その損壊又は価値の減少を防止するために支出する費用を含みます。)に係る損失の額
※ 適 用
(1)
法人税法第80条第1項((欠損金の繰戻しによる還付))による青色欠損金の繰戻し還付制度とは異なり、資本金1億円超の法人や青色申告書を提出する法人(青色申告法人)以外の法人であっても、この制度の適用を受けることができます。
(2)
この制度の適用を受けるためには、次の要件を満たしていることが必要です(震災特例法23条1項、3項、4項)。
①
還付所得事業年度から震災欠損事業年度の前事業年度まで連続して確定申告書を提出していること。
②
所要の事項を記載した還付請求書を震災欠損事業年度の確定申告書又は仮決算による中間申告書の提出と同時に納税地の所轄税務署長に提出すること。
なお、中間申告書にあっては、その提出期限までに提出している場合に限ります。
(3)
この制度の適用を受けることができるのは、震災損失金額が生じた事業年度又は中間期間が赤字の場合(欠損金額が生じている場合)です。
(4)
前事業年度において法人税法第80条による青色欠損金の繰戻し還付を受けている場合には、還付所得事業年度の法人税額及び所得金額から前事業年度に繰戻しの対象とした法人税額及び欠損金額を控除した残額を対象として、繰戻し還付の金額の計算をすることになります(震災特例法23条2項)。
(5)
いずれの還付所得事業年度にそれぞれいくらの繰戻対象震災損失金額を繰り戻すかは、法人の計算によることになります()。
(6)
青色申告書を提出している中小法人については、確定申告において、この制度と法人税法第80条との併用が可能です()。
この場合には、それぞれにつき還付請求書を作成して提出する必要があります。
(7)
仮決算による中間申告で繰戻し還付を受けた場合には、中間期間を含む事業年度の確定申告において、次のことに注意が必要です。
①
中間申告により還付金額の計算の基礎となった震災損失金額を確定申告時点の震災損失金額から控除します(震災特例法23条1項)。
②
還付所得事業年度の法人税額及び所得金額から中間申告で繰戻しの対象とした法人税額及び繰戻対象震災損失金額を控除した残額を対象として、繰戻し還付の金額の計算をすることになります(震災特例法23条2項)。
③
中間申告で繰戻しの対象とした繰戻対象震災損失金額に相当する金額は、中間期間を含む事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入します(震災特例法23条6項)。
[適用時期]
平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間に終了する各事業年度又は平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了する中間期間について適用されます(震災特例法23条1項)。
なお、還付請求書は確定申告書の提出と同時に提出することが原則ですが、周知期間を設ける観点から、平成23年3月11日を含む事業年度分の法人税の確定申告書を同年6月30日までに提出した法人の還付請求書は、同年7月31日までに提出すればよいこととされています(震災特例法23条1項、震災特例法附則7条)。
(連結中間申告書の提出を要しない連結親法人の還付請求)
震災特例法通達23-1
連結事業年度開始の日以後6月の期間(平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了するものに限る。)について、法人税法第81条の19第1項ただし書((連結中間申告))の規定により同条に規定する連結中間申告書の提出を要しないこととされている連結親法人であっても、当該期間において生じた震災特例法第23条第1項に規定する繰戻対象震災損失金額について同項の規定による震災損失の繰戻しによる法人税の還付を請求することができることに留意する。
(震災損失の対象となる固定資産に準ずる繰延資産の範囲)
震災特例法通達23-2
震災特例法第23条第1項の棚卸資産等に係る震災特例法令第16条第1項に規定する「固定資産に準ずる繰延資産」とは、繰延資産のうち他の者の有する固定資産を利用するために支出されたものをいうのであるから、次に掲げるような繰延資産が該当する。
(1)
自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出した費用
(2)
固定資産を賃借し又は使用するために支出した権利金、立退料その他の費用
(3)
広告宣伝の用に供する固定資産を贈与したことにより生じた費用
(注)
繰延資産を計上している連結法人がその繰延資産の対象となった固定資産の損壊等により復旧に要する費用を支出した場合において、その復旧に要する費用が支出時の損金として認められるときは、その支出した費用の額は震災特例法令第21条第1項に規定する損失の額(以下23-3から23-5までにおいて「震災損失の額」という。)に該当することに留意する。
(震災損失の額に含まれる棚卸資産等の譲渡損)
震災特例法通達23-3
棚卸資産又は固定資産の譲渡による損失の額は、震災損失の額には含まれないのであるが、災害のあった日を含む連結事業年度において、連結法人が、災害により著しく損傷したこれらの資産を譲渡したことにより生じた損失の額のうち被害を受けたことに起因する金額を震災損失の額に含めているときは、これを認める。
(災害損失特別勘定を設定した場合の震災損失の範囲)
震災特例法通達23-4
震災費用通達の取扱いにより災害損失特別勘定に繰り入れた金額は、震災損失の額に含めるものとする。
(注)
連結法人の平成23年3月11日から平成24年3月10日までの間に終了する連結事業年度が2以上ある場合において、これらの連結事業年度のうち、災害損失特別勘定に繰り入れた連結事業年度後に終了する連結事業年度に修繕費用等の支出があるときの当該連結事業年度に係る震災損失の額の計算については、同通達の7の取扱いを準用する。
(震災損失の額に含まれない費用の範囲)
震災特例法通達23-5
震災損失の額には、けが人への見舞金、被災者への弔慰金等のように滅失又は損壊した資産に直接関連しない費用は含まれないことに留意する。
(繰戻対象震災損失金額と連結欠損金額がある場合の繰戻し還付)
連結親法人(措置法第68条の98第1項各号((中小企業者等以外の連結親法人の欠損金の繰戻しによる還付の不適用))に掲げる連結親法人に限る。)が、震災特例法第23条第1項に規定する震災欠損連結事業年度(同項に規定する中間期間を除く。)において、同項の規定の適用を受ける繰戻対象震災損失金額以外の連結欠損金額を有する場合には、当該連結欠損金額について法人税法第81条の31第1項((連結欠損金の繰戻しによる還付))の規定の適用を受けることができることに留意する。
(還付所得連結事業年度が2以上ある場合の繰戻し還付)
震災特例法第23条の規定の適用に当たり、同条第1項に規定する還付所得連結事業年度が2以上ある場合、同項の繰戻対象震災損失金額をいずれの還付所得連結事業年度に配分するかは連結親法人の計算によることに留意する。
(連結欠損金の繰戻しによる還付に係る取扱いの準用)
震災特例法通達23-8
震災特例法第23条の規定による法人税額の還付(同条第1項に規定する仮決算の連結中間申告書に係る還付を含む。)の請求があった場合の還付金額の計算等については、連結基本通達20-2-1及び20-2-2に準じて取り扱うものとする。
第
24条((仮決算の中間申告による所得税額の還付))
震災特例法要旨
平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了する中間期間において震災損失金額がある場合には、その中間期間に係る仮決算の中間申告において、その中間期間において課される源泉所得税額でその中間期間の法人税額から控除しきれなかった金額(震災損失金額を限度)を還付することとされました(震災特例法16条)。
対象となる源泉所得税額
次のものに課される源泉所得税額をいいます(震災特例法24条1項、震災特例法令22条2項)。
利子等、配当等、給付補てん金、利息、利益、
差益、利益の分配又は賞金
懸賞金付預貯金等の懸賞金等
割引債の償還差益
国外公社債等の利子等
民間国外債の利子
国外投資信託等の配当等
国外株式の配当等
外国特定目的信託の利益の分配
外国特定投資信託の収益の分配
[留意点]
(1)
仮決算による中間申告書をその期限内に提出し、還付を受ける所得税額などの記載をする必要です(震災特例法24条1項、81条の21、81条の20 1項三、法規37条の9 2項)。
(2)
外国税額と所得税額の両方がある場合には、①外国税額、②所得税額の順に控除を行うとしたときに控除しきれない所得税額が対象とされます(震災特例法24条1項)。
(3)
仮決算による中間申告で還付を受けた金額は、確定申告において改めて所得税額控除(又は所得税額の還付)を受けることはできません(震災特例法24条3項)。
(4)
法人税法第40条((法人税額から控除する所得税額の損金不算入))の規定により損金不算入とされる金額は、確定申告のさいには、仮決算による中間申告で還付を受けた金額と確定申告で控除(又は還付)を受ける金額の合計額になります(震災特例法24条3項)。
[適用時期]
平成23年3月11日から同年9月10日までの間に終了する中間期間について適用されます(震災特例法24条1項)。
震災特例法要旨
東日本大震災に係る国税通則法の規定による申告期限の延長により、中間申告書の提出期限と確定申告書の提出期限とが同一の日となる場合は、その中間申告書の提出を要しないこととされました(震災特例法25条)。
第
26条((連結法人の被災代替資産等の特別償却))関係
震災特例法要旨
事業者が、平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に、東日本大震災に より滅失若しくは損壊をした建物、構築物若しくは機械装置若しくは一定の船舶、 航空機若しくは車両運搬具の代替資産(被災代替資産)の取得等をしてその事業の用に供した場合又 は建物、構築物若しくは機械装置(被災区域内供用資産)の取得等をして被災区域(東日本大震災により滅 失をした建物等の敷地等の区域をいう。以下同じ。)内においてその事業の用に 供した場合には、これらの減価償却資産の取得価額にその取得等の時期に応じた次 の償却割合を乗じた金額の特別償却ができることとする。(震災特例法第26条)
1 建物又は構築物
① 平成23年3月11日から平成26年3月31日までの間に取得等をしたもの 100 分の15(中小企業者等にあっては、100分の18)
② 平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に取得等をしたもの 100 分の10(中小企業者等にあっては、100分の12)
2 機械装置又は一定の船舶、航空機若しくは車両運搬具
① 平成23年3月11日から平成26年3月31日までの間に取得等をしたもの 100 分の30(中小企業者等にあっては、100分の36)
② 平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に取得等をしたもの 100 分の20(中小企業者等にあっては、100分の24)
(注) 被災代替資産、被災区域内供用資産いずれの資産も、その建設又は製作の後事業の用に供されたことのないものに限り、機械及び装置、船舶、航空機並びに車両及び運搬具にあっては貸付けの用に供したものを除きます。
「被災代替資産」とは、
東日本大震災により滅失又は損壊した建物(その附属設備を含みます。)、構築物、機械及び装置、船舶、航空機又は車両及び運搬具に代わるものとして取得等をして事業の用に供した資産で、被災した資産の滅失又は損壊の直前の用途と同一の用途に供されるものをいいます(震災特例法令23条)。
「被災区域内供用資産」とは、
取得等をして被災区域内において事業の用に供した建物(その附属設備を含みます。)、構築物又は機械及び装置をいいます。
なお、被災区域とは、東日本大震災により滅失(通常の修繕によっては原状回復が困難な損壊を含みます。)をした建物又は構築物の敷地及びその建物又は構築物と一体的に事業の用に供される附属施設の用に供されていた土地の区域をいいます。
中小企業者等とは、
中小企業者又は農業協同組合等をいいます(震災特例法26条1項)。 なお、中小企業者とは、資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下の法人のうち次に掲げる法人以外の法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人をいいます(措置法68条の96項 12項六・七、措置令39条の3913項)。
①
発行済株式又は出資の総数又は総額の2分の1以上が同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円を超える法人又は資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。)の所有に属している法人
②
①のほか、発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上が大規模法人の所有に属している法人
[留意点]
(1)
青色申告法人以外の法人であっても、この制度の適用を受けることができます。
なお、この制度の適用を受けようとする事業年度又は中間期間において、償却費として損金経理することが必要です(法31条1項、震災特例法26条1項)。
(2)
青色申告法人にあっては、償却費として損金算入した金額が特別償却限度額に満たない場合には、その満たない部分の金額(特別償却不足額)を1年間繰り越すことができます(震災特例法26条2項、措置法68条の40)。
(3)
この制度の適用を受けるためには、確定申告書又は仮決算による中間申告書に償却限度額の計算に関する明細書を添付する必要があります(震災特例法26条3項)。
(4)
特別償却限度額以下の金額を損金経理により特別償却準備金として積み立てる方法(その事業年度の決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法を含みます。)によることも認められます(震災特例法26条4項、措置法68の41)。
(5)
この制度の適用を受けた被災代替資産等については、租税特別措置法に規定する他の特別償却制度等の適用を受けることはできません(震災特例法26条5項、措置措法68条の42)。
[適用時期]
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に取得等をして事業の用に供する被災代替資産等について適用されます(震災特例法26条1項)。
(同一の用途の判定)
震災特例法通達26-1
震災特例法令第23条第1項各号に規定する「当該滅失又は損壊の直前の用途と同一の用途に供される」ものであるかどうかは、その資産の種類に応じ、おおむね次に掲げる区分により判定する。
(1)
建物(その附属設備を含む。以下26-9までにおいて同じ。)にあっては、住宅の用、店舗又は事務所の用、工場の用、倉庫の用、その他の用の区分
(2)
構築物にあっては、鉄道業用又は軌道業用、その他の鉄道用又は軌道用、発電用又は送配電用、電気通信事業用、放送用又は無線通信用、農林業用、広告用、競技場用、運動場用、遊園地用又は学校用、緑化施設及び庭園、舗装道路及び舗装路面、その他の区分
(3)
機械及び装置にあっては、耐用年数通達付表10(機械及び装置の耐用年数表(旧別表第2))に掲げる設備の種類の区分
(4)
船舶にあっては、漁船、運送船(貨物船、油そう船、薬品そう船、客船等をいう。)、作業船(しゅんせつ船及び砂利採取船を含む。)、その他の区分
(5)
航空機にあっては、航空運送事業用、航空機使用事業用、自家用の区分
(6)
車両及び運搬具にあっては、次に掲げる車両及び運搬具の区分に応じ、それぞれ次に掲げる用途の区分
①
道路運送車両法第4条((登録の一般的効力))に規定する自動車登録ファイルに登録されている自動車及び同法第72条第1項((検査記録))に規定する軽自動車検査ファイルに記録されている検査対象軽自動車 運送事業用、自家用の区分
②
地方税法第442条の2第1項((軽自動車税の納税義務者等))の規定の適用を受ける小型特殊自動車 農耕作業用、その他の区分
③
鉄道事業法第13条第1項((車両の確認))に規定する確認(同条第2項に規定する確認を含む。)を受けた車両 普通鉄道、普通鉄道(新幹線鉄道)、懸垂式鉄道、跨座式鉄道、案内軌条式鉄道、無軌条電車、鋼索鉄道、浮上式鉄道、その他の鉄道の区分
(注)
震災特例法令第23条第1項第1号に規定する被災建物(以下26-1及び26-3において「被災建物」という。)又は当該被災建物に代わるものとして取得等(取得又は製作若しくは建設をいう。以下26-10までにおいて同じ。)をした建物(以下26-1及び26-3において「被災代替建物」という。)が2以上の用途に併用されている場合において、被災代替建物が被災建物と同一の用途に供されるものであるかどうかは、各々の用途に区分して判定するのであるが、連結法人が主たる用途により判定しているときは、これを認めて差し支えない。
被災建物が用途の異なる2以上の建物である場合において、一の被災代替建物が2以上の用途に併用される建物であるとき、又は一の被災建物が2以上の用途に併用されている場合において、被災代替建物が用途の異なる2以上の建物であるときも、同様とする。
(床面積の意義)
震災特例法通達26-2
震災特例法令第23条第1項第1号に規定する床面積は、建築基準法施行令第2条第1項第3号((面積、高さ等の算定方法))に規定する床面積によるものとする。
(2以上の被災代替建物を取得した場合の適用)
震災特例法通達26-3
連結法人が、一の被災建物に代わるものとして滅失又は損壊の直前の用途と同一の用途に供される2以上の被災代替建物の取得等をして事業の用に供する場合において、当該2以上の被災代替建物の床面積の合計面積が当該被災建物の床面積の1.5倍を超えるときは、当該2以上の被災代替建物の床面積のうちいずれを当該被災建物の床面積の1.5倍に相当する部分とするかは、連結法人の計算によるものとする。
(注)
連結法人が、2以上の連結事業年度にわたって被災代替建物の取得等をして事業の用に供する場合において、最初に震災特例法第26条第1項の規定の適用を受ける連結事業年度の同項の規定の適用を受ける当該被災代替建物の床面積が被災建物の床面積の1.5倍に満たないときは、その満たない床面積に相当する部分は、翌連結事業年度以後に取得等をして事業の用に供する被災代替建物に充てることができることに留意する。
(おおむね同程度以下の構築物の意義)
震災特例法通達26-4
震災特例法令第23条第1項第2号に規定する「おおむね同程度以下のもの」とは、連結法人が取得等をした構築物の規模が同号に規定する被災構築物の規模のおおむね1.3倍程度以下のものをいうものとする。
(貸付けの用に供したものに該当しない資産の貸与)
震災特例法通達26-5
連結法人が、その取得等をした機械及び装置を自己の下請業者に貸与した場合において、当該機械及び装置が専ら当該連結法人のためにする製品の加工等の用に供されるものであるときは、当該機械及び装置は当該連結法人の営む事業の用に供したものとして震災特例法第26条の規定を適用する。
連結法人が、その取得等をした車両及び運搬具を自己の下請業者に貸与した場合において、当該車両及び運搬具が専ら当該連結法人のためにする商品、製品等の運送の用に供されるものであるときも、同様とする。
(船舶又は航空機の貸付けの意義)
震災特例法通達26-6
震災特例法第26条第1項に規定する被災代替資産等には、いわゆる裸用船(機)契約に基づく船舶又は航空機の貸付けの用に供するものは含まれないが、いわゆる定期用船(機)契約又は航海用船(機)契約に基づく用船(機)の用に供するものは含まれる。
(通常の修繕によっては原状回復が困難な損壊の意義)
震災特例法通達26-7
震災特例法第26条第1項の「第18条第1項に規定する被災区域」に係る「通常の修繕によっては原状回復が困難な損壊」とは、災害により損壊をした建物又は構築物につき、今後取壊し若しくは除去をせざるを得ない場合又は相当の修繕を行わなければ今後事業の用に供することができないと認められる場合の当該建物又は構築物に係る損壊をいうことに留意する。
(建物等と一体的に事業の用に供される附属施設)
震災特例法通達26-8
震災特例法第26条第1項の「第18条第1項に規定する被災区域」に係る「建物又は構築物と一体的に事業の用に供される附属施設」とは、滅失(通常の修繕によっては原状回復が困難な損壊を含む。以下26-8において同じ。)をした建物又は構築物と機能的及び地理的な一体性を有して事業の用に供される施設をいうのであるから、例えば、滅失をした工場の構内にある守衛所、詰所、自転車置場、浴場その他これらに類する施設又は滅失をした建物に隣接する駐車場等の施設がこれに該当する。
(注)
同項に規定する附属施設は、滅失をしたものであるかどうかは問わないことに留意する。
(付随区域)
震災特例法通達26-9
震災特例法第26条第1項に規定する「被災区域である土地に付随して一体的に使用される土地」とは、当該被災区域である土地と一団をなす土地で当該被災区域である土地の使用に伴って一体的に使用されるものをいうのであるから、例えば、建物を建築する場合において、当該被災区域である土地とともにその建物の敷地の用に供される土地がこれに該当する。
(中小連結法人であるかどうかの判定の時期)
震災特例法通達26-10
連結法人が、震災特例法第26条第1項に規定する「中小連結法人」に該当する連結法人であるかどうかは、その取得等をした同項に規定する被災代替資産等を事業の用に供した日の現況によって判定するものとする。
第
27条~29条((連結法人の特定の資産の買換えの場合等の課税の特例))関係
特定の資産の買換えの場合の課税の特例
要旨
事業者が、平成23年3月11日から平成28年3月31日までの期間(以下「対象期間」という。)内に、次の買換えを行った場合には、その買換えに係る対象期間内に 資産の譲渡をして、その譲渡の日を含む事業年度において取得をし、かつ、その取得の日から1年以内にその事業の用に供する資産について、その譲渡をした資産に 係る譲渡利益金額に相当する金額の範囲内で圧縮記帳(課税繰延割合100%)ができる。
(震災特例法27条)
(1)
被災区域である土地等又はこれらとともに譲渡をするその土地の区域内にあ
る建物若しくは構築物で、平成23年3月11日前に取得がされたものから、国内にある土地等又は国内にある事業の用に供される減価償却資産への買換え
○ 被災区域内での買換え又は被災区域内から被災区域外への買換え
1. 譲渡資産は、被災区域である土地(土地の上に存する権利を含みます。)又はこれとともに譲渡をするその土地
の区域内にある建物(その附属設備を含みます。)若しくは構築物で、平成23 年3月11 日前に取得
(建設を含みます。)がされたもの であること。
2. 買換資産は、国内にある土地又は国内にある事業の用に供される減価償却資産であること。
(2)
被災区域である土地以外の土地の区域内にある土地等、建物又は構築物から、
被災区域である土地等又はその土地の区域内にある事業の用に供される減価償
却資産への買換え
○ 被災区域外から被災区域内への買換え
1. 譲渡資産は、被災区域である土地以外の土地の区域(国内に限ります。)内にある土地、建物又は構築物であること。
2. 買換資産は、被災区域である土地又はその土地の区域内にある事業の用に供される減価償却資産であること。
※ 圧縮限度額の計算
この制度による圧縮限度額は、次の算式により計算します(震災特例法27条1項・13項、措法68条の78 15項三・四)
圧縮限度額 = 圧縮基礎取得価額 × 差益割合
(1)
圧縮基礎取得価額とは、次の①及び②に掲げる金額のうちいずれか少ない金額をいいます。
①
買換資産の取得価額
②
譲渡資産の対価の額(既に圧縮記帳の適用を受けている場合には、他の買換資産に充てられた金額を控除した残額)
(2)
差益割合とは、次の算式により計算した割合をいいます。
{譲渡対価の額-(譲渡直前の帳簿価額+譲渡経費の額)}÷譲渡対価の額
[留意点]
(1)
青色申告法人以外の法人であっても、この制度の適用を受けることができます。
なお、この制度の適用を受けようとする事業年度又は中間期間において、圧縮限度額の範囲内で買換資産の帳簿価額を損金経理により減額することが必要です(震災特例法27条1項)。
(2)
買換資産の帳簿価額を損金経理により減額することに代えて、圧縮限度額以下の金額を確定した決算において積立金として積み立てる方法(その事業年度の決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法を含みます。)によることも認められます(震災特例法27条1項)。
(3)
買換資産の土地等の面積が譲渡資産の土地等の面積の5倍を超える場合には、その超える部分の面積に対応する土地等は買換資産に該当しません(震災特例法27条2項、震災特例法令24条3項)。
(4)
一定の場合には、買換資産を先行して取得したときにもこの制度の適用があります。なお、この適用を受ける場合には、資産を取得した日を含む事業年度終了の日の翌日から2月以内に、「先行取得資産に係る買換えの特例の適用に関する届出書」に所定の事項を記載して所轄税務署長に提出する必要があります(震災特例法27条3項、震災特例法令24条5項)。
(5)
この制度の適用を受けた場合において、買換資産の取得をした日から1年以内に、その買換資産を事業の用に供しない場合又は供しなくなった場合には、買換資産の取得の日から1年を経過する日又は買換資産を事業の用に供しなくなった日を含む事業年度において、圧縮記帳により損金の額に算入した金額に相当する金額を益金の額に算入することとされています(震災特例法27条4項)。
(6)
この制度の適用を受けるためには、確定申告書又は仮決算による中間申告書に損金算入に関する申告の記載をし、かつ、その確定申告書等にその損金の額に算入される金額の計算に関する明細書等を添付する必要があります(震災特例法27条5項、措法68条の78 5項・6項)。
(7)
この制度の適用を受けた買換資産については、租税特別措置法に規定する特別償却制度等及び震災特例法における「被災代替資産等の特別償却」の適用を受けることはできません(震災特例法26条5項、27条6項、措法68条の78 7項)。
[適用時期]
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に譲渡資産を譲渡し、平成23年3月11日以後に取得(建設及び製作を含みます。)をする買換資産について適用されます(震災特例法27条1項、震災特例法附則8条)。
特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例
要旨
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの期間内に、上記1の〔譲渡資産〕の譲渡をした場合において、その譲渡をした日を含む事業年度終了の日の翌日から1年を経過する日までの期間内に、その譲渡資産に対応する買換資産の取得をする見込みであり、かつ、その取得の日から1年以内にその買換資産を事業の用に供する見込みであるときは、以下の算式により計算した金額をその譲渡の日を含む事業年度の確定した決算において特別勘定を設ける方法(その事業年度の決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法を含みます。)により経理した場合に限り、その経理した金額を損金の額に算入することができる。(震災特例法28条)
特別勘定の金額=譲渡対価のうち買換資産の取得に充てようとする額×差益割合
[適用時期]
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に譲渡資産を譲渡した場合に適用されます(震災特例法28条1項)。
特定の資産を交換した場合の課税の特例
要旨
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に、上記1の〔譲渡資産〕と〔買換資産〕との交換をした場合には、一定の要件の下で、特定の資産の買換えの場合の課税の特例又は特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例の制度が適用されます(震災特例法29条)。
[適用時期]
平成23年3月11日から平成28年3月31日までの間に交換を行った場合に適用されます(震災特例法29条1項)。
(平成23年3月11日前に取得をした土地等についての買換えの適用)
震災特例法通達27-1
連結法人が、平成23年3月11日前に取得をした土地又は土地の上に存する権利(以下27―1において「土地等」という。)とともに当該土地等の上に同日以後に建設をした建物又は構築物を譲渡した場合には、当該建物又は構築物は震災特例法第27条第1項の表の第1号の上欄に規定する譲渡資産に該当しないが、当該土地等は当該譲渡資産に該当することに留意する。
(注)
震災特例法第27条第1項の表の第1号の上欄に規定する資産が平成23年3月11日前に取得されたかどうかの判定に当たり、当該資産が震災特例法令第24条第20項の規定により準用する措置法令第39条の106第28項各号に掲げる資産に該当する場合には、同項の規定によりいわゆる取得日の引継ぎが認められるのであるから留意する。
(特定の資産の買換えの場合等の課税の特例制度に係る取扱いの準用)
震災特例法通達27-2
震災特例法第27条から第29条までの規定による対象資産の範囲、事業の用に供したことの意義等については、連結措置法通達68の78(1)-1から68の78(1)-15まで、68の78(1)-33から68の78(4)-7まで及び68の78(4)-9から68の78(5)-3までに準じて取り扱う。
第
30条((代替資産の取得期間等の延長の特例))関係
特定の資産を交換した場合の課税の特例
要旨
収用等に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例(措法64条の2)及び特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例(措法65条の8)について、東日本大震災のため、代替資産又は買換資産をその取得すべき期間(その末日が平成23年3月11日から平成24年3月31日までの間にあるものに限ります。)内に取得することが困難となった場合には、一定の要件の下に、その期間を2年以内の範囲で延長することができることとする(震災特例法30条)。